本記事のもくじ
1.【5000万?1億?】投資でセミリタイアするには資産がいくら必要なの?
本ブログをご覧の方には、
投資の利益でセミリタイアするにはどのくらいの資産が必要なんだろう…。
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、セミリタイアが途方もないゴールだと感じてしまう方もいるでしょう。
実際のところ、投資でセミリタイアと一口に言っても、具体的なゴールによって道筋が大きく変わります。
わずか30歳でセミリタイアを成功させた私も、以前は普通のサラリーマンとして7年ほど会社に勤めていました。
日々の生活に何気ない幸せを感じながらも、より時間的・精神的余裕を持ちながら、自分の理想の生活を送りたいと同じように思っていたのです。
そこから、投資の勉強と実践を繰り返すことで、今では投資をしながらお金や時間の制約がない理想的な生活を送ることができています。
誰でも最初は右も左もわからない状況ですが、正しい知識や経験を積むことでセミリタイアの道は見えてきます。
今回の記事では、私の実体験を交えながら「セミリタイアで必要な資産や、理想の生活を送るための準備」について詳しく解説します。
ぜひ、最後まで読み進めてくださいね。
2. そもそも、「投資でセミリタイア」する意味とは?

投資でセミリタイアする理由は、大きく時間的な制限をゼロにしながら生活できる部分にあります。
投資で利益を産むというのは、お金がお金を作るために代わりに働いてくれる状態なので、本人は労働をする時間を削減することができます。
社会人としての働き方は、主に労働時間の対価として会社からお金をもらいますが、投資でのセミリタイアだと働くのはお金になる、というイメージです。
後述する通り、セミリタイアにも多くの種類があり、働く度合いなどで変わりますが、時間的な余裕はサラリーマンよりも圧倒的に生み出しやすくなります。
「絶対にこの仕事をしないと生きていけない…」という本業がなく、自分で仕事や働く時間を選ぶことができます。
時間や心の余裕が生み出せることが投資によるセミリタイアの大きなメリットと言えますね。
「セミリタイア」の定義とは
そもそもセミリタイア とはどのような状態を指すのでしょうか。
実際には、セミリタイア という言葉の定義は明確に一つには決まっていません。
状態としては、会社員をやめても投資や貯蓄、必要に応じてパートをしたりと、時間的余裕を作りながら生活できる状態のことをいいます。
フルタイムで働かなくても、その他の要素で生活ができる状態なので、会社に依存しなくてもいいのがメリットですね。
どんなに嫌なことがあってもいざとなれば会社を辞められる状態は、心理的な負担を下げますし、同時に時間的余裕も生み出すことができます。
「アーリーリタイア」の定義とは
アーリーリタイアとは60代の定年が来る前に、会社を辞めることをいいます。
セミリタイアとも似ていますが、アーリーリタイアの場合、早期退職による退職金や貯金、資産のみで生活する状態をいいます。
セミリタイアでは自由な時間を使って働くこともありますが、アーリーリタイアは基本的に仕事をしないという選択なので、より人生の中で自由な時間が増えることがメリットです。
仕事よりもプライベートを充実させたい人に対して適しているでしょう。
多くの社会人が30代・40代のうちのアーリーリタイアを目指していることが多いです。
「FIRE」の定義とは
FIREは近年アメリカで流行している形で、収入や支出、投資のバランスを考えて生活し、フルタイムでの労働からリタイアするライフスタイルのことをいいます。
セミリタイアやアーリーリタイアと違うところは、私生活でのお金の管理に対して徹底的に向き合っているところです。
収入の柱を増やせるように空き時間に副業したり、節約など支出を抑え、投資でのリターンが増えるように勉強したりと、経済的に自立できる状態を目指します。
フルタイムから卒業し、自分の理想的なライフスタイルを確立させたい人は今後増えていきます。
FIREとしてのリタイアも今後浸透していくでしょう。
3. 投資でセミリタイアするには、あまり資産の金額は関係ない

投資でセミリタイアするには、大きな元手が必要だと思うかもしれません。
生活費の大半を不労所得で賄おうとする場合、確かに投資に充てる金額が大きければ大きいほどリターンも比例します。
仮に月15万円を投資の不労所得で生み出すと考えると、元手5,000万円を利回り5%で運用しないといけません。
しかし、そもそも理想の生活をするための必要金額そのものが人それぞれ異なります。
例えば、毎月15万円なくても満足いく生活なら、必ず大きな資産が必要とも限りません。
あなたの望むライフスタイルで金額はまったく異なる
仮に、あなたが投資の利回りでセミリタイアする場合、どのような生活を思い描くでしょうか?
投資だけで食べていけるのに困らないような生活水準であれば、最低限のリターンでも叶うでしょう。
反対に、いい家に住み高級車を買って、旅行やグルメを思う存分楽しみたいという方は、必要金額がグンと跳ね上がります。
投資でのセミリタイア生活を送る場合も、自分が叶えたい生活によって、必要な資産は大きく変わる点に注意です。
国内バージョン:都会で悠々自適に生活VS田舎でスローライフ
都会で悠々自適に生活
不労所得で暮らしていきたいと思った時に想像するのが、贅沢な生活。
都心に住みながら、好きな時に旅行に行き、美味しいものを食べる。
夢のような生活を送るにはどのようなプランを立てればいいでしょうか。
まず基本的に、都会は物価が高いものです。
住居費だけでも普通にワンルームに住むだけで6万円以上かかります。
また、好きな時に旅行に行くとなると一回当たり5万~10万。一週間の海外旅行だと20~30万円かかることも。
日本での平均的な生活費は15万円ですが、娯楽費が高くなるほど必要な資産も比例して上がります。
5000万円を利回り5%で運用しても月に15万円ほど。
加えて、旅行やグルメなどを気軽に楽しむためには、その倍の1億円以上は資産が必要になってくる可能性があります。
田舎でスローライフを送る
田舎でスローライフを送るためにセミリタイアをするなら、都会よりも必要金額をかなり抑えることができます。
特に、大きく変わるのが住居費などの固定費です。
都心では1Kの家に住むだけで月に6万かかることもザラではありません。
しかし、田舎だと物価が安いため、場所によっては数百万円で古民家を購入することもできます。
また、投資でセミリタイア生活をするとしたら、仕事が多い都心にこだわる必要もありません。
大自然の中でゆったりと過ごすことを考えると、都心と比べ時間や金銭的余裕を持ちながら生活することができるでしょう。
海外移住:物価の高いワイキキでの生活VS物価を抑えた東南アジア生活
物価の高いワイキキでの生活
海外移住でもハワイのような物価の高い場所で生活するとなるなら、必要な資産や手段も変わってきます。
夫婦2人と子ども2人の4人家族の場合、1年間の生活費や約900万円と言われています。
1人暮らしの場合でも年間に400万弱と想像以上に高い物価だとわかります。
贅沢な生活をしない基準でも大きな額が必要で、生活費が高いランキングの上位にも入ります。
日本で暮らすために必要な額の2倍は安定的に稼ぐ必要があり、更には海外にいてもできる仕事をメインの収入源にする必要があるかもしれません。
物価を抑えた東南アジア生活
セミリタイア後に物価の安い海外移住を考えるのも選択肢の一つです。
物価の安い国はピンキリですが、安全性や日本人の住みやすさから考えると、タイやマレーシアなどの東南アジアは人気です。
治安も悪くなく、温暖な気候で日本食も食べられる場所で、生活費は月5万円ほどと住みやすい国になっています。
ショッピングモールなども発展していて、物価を抑えていても満足する生活を送りやすいでしょう。
むしろ、どんなセミリタイア生活をしたいか?が何よりも重要!
投資でセミリタイアを目標にするなら、資産額よりも理想的なライフスタイルを明確にした方が良いでしょう。
セミリタイアをただ漠然とイメージすると、途方もない金額が必要と感じるかもしれません。
ただ、目指すライフスタイルによっては、自分が思っている以上にすんなりとセミリタイアを達成することもできます。
実際に、私に資産形成を相談された女性も同じようなケースでした。
会社をどうしても辞めたい…というご相談だったのですが、彼女はすでにもう会社を辞められる資産を持っていた(!)のです。
やはり、ざっくりと「お金を貯めないといけない」という感覚だと、いくら貯めても足りていないように錯覚してしまうものです。
資産を貯める前に、自分がどのようなセミリタイア生活を送りたいかを明確にして、必要額を計算できるようにしておくといいでしょう。
あなたも、実はいますぐセミリタイアできるかもしれません。
最近は平均余命がどんどん伸びているので注意!
また最近では、医療制度の発達により健康寿命が伸びていることにも注意しましょう。
先進国のアメリカでは、病気や事故などで失った体の組織を再生する再生医療の研究やそもそも老化を”治療してしまう”研究が進んでいます。
これにより、人間の平均寿命や健康寿命は長くなっているため、自分たちが老後を迎える時には、今までよりも長い間働ける状態になっているのです。
これからは、人生100年時代以上に、はるかに長く生きられる時代がすでに迫ってきています。
それだけに、人生100年だけを目指して準備をしてしまうと、まったくあなたの未来の状況に合わない可能性があるのです。
そういった医療の進歩を頭に入れつつ、セミリタイア後のライフスタイルを計画的に行なっていくのが大事です。
詳細についてはこちらの記事でも触れています。
4. どんなセミリタイアをしたいのか、生活全般に渡って考えましょう

様々な背景を想像した上で、実際にセミリタイア後にどのような生活をしていきたいかをしっかり考えていきましょう。
最終的な目標を決め、その生活を送るためにはどのような計画を立てればいいのか。
費用はどれだけかかるのか。
どんな仕事をして、どんなタイムスケジュールで動くのか。
などなど、こと細やかに考えてみましょう。
そうすると、少しずつ自分がやるべきことが見えてきます。
衣食住にわたって、最高のセミリタイア生活を具体的に描きましょう
さらに具体的に想像してみましょう。
あなたが最高のセミリタイア生活を送るなら、どのような生活を思い描きますか。
朝起きたら優雅に朝食を摂りつつ、読書をしてゆっくりと時間を過ごすのか。
はたまた、家にはほとんど帰らず旅行三昧なのか。
細かい部分で言うと、どこに住んでいてどこで目覚めるのか。
部屋の内装は豪華なのか、それとも質素にまとまっているのか。
生活の基礎的な衣食住からイメージを膨らませていくと、自分がどのようなセミリタイア生活を送りたいか鮮明になってきます。
何のために投資をするか、最終的なゴールはどうするのかを決めるには、以下の記事を参考にしてみてください。
最高のセミリタイア生活に必要な金額は?
最高のセミリタイア生活を送るための年間の目標金額がわかると、実現するために必要な金額や目標達成までの道のりが明確になります。
曖昧なイメージだと目標達成に近づけません。
最終的に求める理想の生活を基準に、稼ぐべきお金を逆算し、そのお金を稼ぐにはどのような手段を使えばいいのか、少しずつ現実的な目標にしていきましょう。
ここまでハッキリと道筋を決めて、初めてセミリタイアのスタートラインに立てたと言えます。
40歳までにはセミリタイアしたい、また、あと数年後にはそのような状態になっておきたいなど、抽象的な計画だと、やはりセミリタイアを達成することは難しくなります。
具体的に行動目標を定め、いくら貯めるためにどんな行動をするかまで、細かいところまで設定するようにしましょう。
5. それでもセミリタイアに必要な資産の目安を知りたい、という方に

セミリタイアを達成するといっても、多種多様なゴールと道筋があることを解説してきました。
大まかな流れとして、まずは自分が思い描く理想的なライフスタイルを想像すること、そして、その目標を叶えるための金額設定と稼ぐための手段を明確にし、一歩ずつ行動することが大事です。
しかし、この記事を読んでいる方の中には、具体的にセミリタイアに必要な資産の大まかな目安を知りたいと思っている方もいるでしょう。
人それぞれと言っても、ざっくりとしたセミリタイアに必要な資産の目安を知ることは、ゴールを決めるヒントになるので、こちらも解説していきます。
仮に投資でセミリタイアを目指すケースについて、不動産投資ではなく株式や投資信託などの金融資産がある条件でシミュレーションしてみます。
理由としては、不動産投資の場合だと、物件の収益性や買い方・ローンの組み方・保有方法によって大きく数字が変動するからです。
それぞれの金融資産の総額について、5%と8%の利回りで考えていきます。
アメリカの代表的な株価指数であるS&P500(日本で言う日経平均)では、長期の平均利回りが年間7.5%であるため、この2通りで考えていきます。
成績が悪い場合でも最低5%、良い場合には8%をイメージし、それぞれの金融資産ごとにセミリタイア後の生活を考えていきます。
※いずれのシミュレーションも各種税金を考慮していない点に注意してください。
1000万円の金融資産でセミリタイアすると?
1,000万円の金融資産の場合は、投資だけの運用利回りでの生活は難しくなってきます。
投資利回りの成績のみだと、良くて毎月数万なので生活スタイルによって変わりますが、贅沢はできないでしょう。
そのため、投資で出た利益に加えて、パートタイムやアルバイトをかけもちしたほうがいいという水準でしょう。
5%で運用した場合
1,000万円を利回り5%で運用した場合、年間に50万円の利益が出ます。
50万円だと月に換算して4万円ほどです。
投資利回りで生活するというより、やはり貯金や他の資産を掛け合わせた際のサポートのような基準です。
8%で運用した場合
1,000万円を利回り8%で運用した場合、年間に80万円の利益が出ます。
80万円だと月に換算して6万円ほどです。
投資の成績が良くて8%でも、元本が1,000万円だと不労所得で生活できる基準には達しにくいでしょう。
仮に、地方移住をする際なら生活費程度はまかなえる状況でしょう。
田舎でスローライフを送る場合は、視野に入れてもいいかもしれません。
4000万円の金融資産でセミリタイアすると?
4000万円の金融資産でセミリタイアする場合は、どうでしょうか。
実際に、運用した結果を見てみましょう。
5%で運用した場合
4,000万円を利回り5%だと月に16万円ほどの不労所得があります。
家族ではなく、一人暮らしをする際ならよほどの場合でなければ働く必要がない水準でしょう。
都心部ではギリギリ生活できるラインで、地方の場合になれば、なおさら一人暮らしも可能です。
セミリタイア後の生活に対して生活費が高い理想がなければ、4,000万円は現実的なラインと言えるかもしれません。
8%で運用した場合
4,000万円を利回り8%で運用した場合、年間に320万円の利益が出ます。
320万円だと月に換算して26万円ほどです。
月に26万円あれば、年収で換算するとおよそ400万円ほどの手取り額と同等です。
この場合、家賃の高めな東京都心で一人暮らしも可能な範囲です。
5000万円の金融資産でセミリタイアすると?
セミリタイアをする際の一つの目安として、巷で取り上げられるのが5000万円の金融資産でのセミリタイアです。
多くの書籍やWEBメディアの中でも、とりわけ多いのが5000万円です。
理由としては、利回り5%でも月に20万円の不労所得が生まれる点にあるでしょう。
このゾーンになってくると、通常の一人暮らしの生活費はまかなえる状態になります。
また、家族二人暮らしの平均支出額が月約30万円ほど。
子育てなどの費用が入って30万円でも、投資とパートなどで比較的精神的時間的余裕を作りながらセミリタイアできます。
5%で運用した場合
5,000万円を利回り5%で運用した場合、年間に250万円の利益が出ます。
250万円だと月に換算して20万円ほどです。
手取り20万円だと年収で換算すると300万円ほど。
20代では平均的なサラリーマンくらいの年収と言えるでしょう。
8%で運用した場合
5,000万円を利回り8%で運用した場合、年間に400万円の利益が出ます。
400万円だと月に換算して33万円ほどです。
一般的な30代のサラリーマンに手取りに近い金額で、社会人として送っている生活レベルをセミリタイア後にも送りたい場合には、この状態を目指すといいでしょう。
1億円の金融資産の金融資産でセミリタイアすると?
セミリタイアでも1億円の金融資産になるとかなり自由度が上がります。
5%で運用した場合
1億円を利回り5%で運用した場合、年間に500万円の利益が出ます。
500万円だと月に換算して41万円ほどです。
月41万円だと一人暮らしでは、一応余裕のある生活ができる範囲でしょう。
また、家族がいる場合も固定費の削減を意識することで十分生活することができます。
セミリタイアの場合、この状況まで目指せることができれば安定的な生活を送ることができます。
8%で運用した場合
1億円を利回り8%で運用した場合、年間に800万円の利益が出ます。
800万円だと月に換算して66万円ほどです。
このくらいの不労所得になると、余程ハメを外さない生活であれば、理想的なライフスタイルを送ることができます。
資本が1億円ある状態で利回りも8%と好成績を収めることができれば、自分が思い描く理想の生活を送ることができます。
投資でセミリタイアする際に、敷居の高い生活であればこの水準を最終目標にすればいいでしょう。
6. まとめ:投資でセミリタイアする際は目標によって資産額を決めよう

今回の記事では、投資でセミリタイアする際の目標資産額や、理想のライフスタイルを叶えるための方法について解説しました。
セミリタイアする場合は5000万円が必要、1億円が必要と短絡的にお金を作るのではなく、自分の目的から逆算して行動する大切さが伝わったと思います。
目的がない状態でやみくもに進んでも、人生の中の大切な時間や労力を消費してしまいます。
まずは自分がどのような生活を送りたいかしっかりと逆算しながら、現実に形にできるよう行動していきましょう。