1. 株式投資を勉強するための本の選び方
「株式投資を勉強したい!」
そう思う人にとって、数多ある投資関連の本の中から、本当になたの目的に役立つものを探すことはとても大変な作業です。
そこで、本記事では筆者が投資だけでセミリタイヤを果たした経験を元に、本当に役立った株式投資の書籍ベスト8をご紹介します。
本記事で紹介している書籍を選ぶにあたって、私が大切にしているのは以下の2つの基準です。
- 著者自身が大きく成功していること
- 著者自身が長期的に成功していること
まず、1つ目は、その本の著者、あるいは、テーマとなっている方が株式投資で金額的に大きく成功していることです。
これは、やはり結果が出ている方の考えや行動を学ぶべきだ、ということで多くの方が当然だと思うでしょう。
そして、2つ目に忘れてはいけないのは、その本の著者、あるいは、テーマとなっている方が株式投資で長期間成功していることです。
ー株式投資では、運と実力の境い目は『紙一重』です。
誰かが選択した銘柄が、たまたま偶然すばらしいパフォーマンスを出したのか、それとも、その誰かの銘柄の選び方や考え方が良かった結果なのか、正確に判断することはかなり難しいものです。
また、市場全体が伸びているときに適当に個別銘柄を選んで、その結果を自分の実力だと主張することさえできます。
そのため、私は基本的に、数十年単位の「超長期間」で成功している人の話しか信用しません。
(結果として、ベスト8には最近発売された本はほとんどなく、「古典」と呼ばれる書籍が多く含まれています。)
数十年以上に渡って、数多くの市場変化、数多くの投資を繰り返しても、最終的に結果を出した、ということは、考え方や行動の仕方が私たちの参考にするに値することを意味するからです。
それでは早速、株式投資を勉強するための本ベスト8を発表していきます。
2. 株式投資を勉強するための本ベスト8
株で富を築くバフェットの法則 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法 ロバート・G・ハグストローム
- 株式への長期投資で世界トップクラスの財を築いたウォーレン・バフェットの頭の中を覗ける一冊
- 具体的な9つの投資事例から、バフェットの投資戦略を具体的に学ぶことができる
投資をしていない人でも名前は知っているウォーレン・バフェット、彼は基本的に株式投資だけで世界トップクラスの資産を築いた大投資家です。
若いときから株式投資の世界に身を置き、高齢のいまも投資会社バークシャー・ハサウェイの指揮を執る彼の考え方には非常に重みがあります。
また、彼はとても倹約家としても知られ、ランチはいまでも数ドルのハンバーガーとコカ・コーラ(!)だそうです。
なお、質素倹約ぶりも含めて彼の生き方を動画でも学びたいという方には、本ではありませんが、以下のドキュメンタリー映画もおすすめです。
ウォーレン・バフェット氏になる (字幕版)
ピーター・リンチの株の法則 90秒で説明できない会社には手を出すな ピーター・リンチ
- ファンド規模を777倍に育てた「マゼランファンド」のリーダー、ピーター・リンチの株式投資で勝つ法則をまとめた1冊
- プロではなく、素人だからこそできる株式投資のシンプルな法則も学ぶことができる
「マゼランファンド」とは、みなさんも一度は何かしら買ったことがあるであろう、投資信託の名前です。
ピーター・リンチさんは、そのマゼランファンドを777倍の規模まで育て上げた、伝説のファンドマネージャーです。
ファンドの運用というと、なかなか市場の平均リターンを超えられない、とされ、大幅なリターンを出すことは至難の業です。
それを長期間に渡って成し遂げた彼の考え方は、時間をかけて学ぶのに値するでしょう。
テンプルトン卿の流儀 ローレン・C・テンプルトン
- 世界一流のバリュー投資家である、ジョン・テンプルトン卿をテーマにした名著
- 50年にわたって、市場平均を打ち負かした実証済みの投資方法が詳しく解説
ジョン・テンプルトン卿、というと、さらに馴染みがない方が多いかも知れませんが、投資の世界では伝説的なストックピッカー(銘柄選択者)と呼ばれています。
さまざまな内容が参考になりますが、中でも、
「悲観の極みで投資する」
この考え方は個人投資家がきっと覚えておくべき内容でしょう。
つまり、皆が売ろうとしているときに安く買い、皆が買おうとしているときに高く売るということです。
このことが、あなたの投資のパフォーマンスを最大化してくれるのです。
彼の普遍の原則は、現在の”アフターコロナ”の世界でもきっととても参考になることでしょう。
賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 ベンジャミン・グレアム
- ウォーレン・バフェットが師として仰ぐベンジャミン・グレアム氏の古典的名著
- バリュー投資家として成功した彼の投資の哲学と考え方が学べる
ベンジャミン・グレアムさん、実はウォーレン・バフェットに直接株式を教えた先生です。
もうこの事実だけで、彼の本をとりあえず読んだほうが良い理由になってしまうでしょう。
また、このような事実は、翻ってウォーレン・バフェットさんを参考にしても良いことの強い証拠にもなりますね。
やはり、すごい人はすごい師匠から正しい考え方を学んでいるものです。
株式投資で普通でない利益を得る フィリップ・フィッシャー
- 1958年の出版以来、ベンジャミン・グレアムの著作と並ぶ古典的名著
- 初心者にもわかりやすい平易な言葉で大切なエッセンスが凝縮されています
ベンジャミン・グレアムと並んで、必ず読むべきなのがフィリップ・フィッシャーです。
初心者でもわかりやすい平易な言葉で、株式を買うときのポイントや売り時に関する考え方など、時代を超えて役立つ具体的なエッセンスが詰まっている名著です。
バフェットとソロス 勝利の投資学 マーク・ティアー
- 投資スタイルがまったく異なる、ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロスの隠れた投資の考え方・行動の共通点を解説
ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロス、と言うと、バフェットは長期保有の投資家、ソロスは短期保有の投機家のような、まったく相反したイメージを持たれがちです。
しかし、本書では、そんな2人の投資に敢えて共通点を詳しく分析しています。
どのような株式投資を目指す方にも、成功のエッセンスが詰まった非常に参考になる1冊です。
敗者のゲーム チャールズ・エリス
- 初心者やプロを問わず、市場平均に勝つことは簡単ではない
- 普通の投資家が確実に結果を出せる方法は、インデックスファンドの活用である
これまで個別株式への投資の本を薦めておいて何なのですが、本書はインデックスファンド(=投資信託)投資を推奨する一冊です。
多くの日本人は気づいていませんが、個別株への投資(特定企業の株式を買うこと)は、値動きが大きくかなりリスクが高い(注:危険が多い、という意味ではない。下記参考記事を参照。)投資です。
まずは、なかなかプロでも市場平均に勝てない、という事実を知った上で、ご自身の投資をどう組み立てていくのか深く考える良い材料になるかと思います。
結果的にそれは、個別株投資に踏み込むことになっても、インデックスファンドだけの投資になっても、どちらでもあなたの目的や状況にあっていれば良いでしょう。
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 バートン・マルキール
- 株価とは、実際には企業の利益や成長性に関係なく、ランダムに動くもの、とする
- 結果として、どうしてもインデックスファンドの運用に勝つことは非常に難しい
株式を始めたばかりの投資家にとって、タイミングや偶然、あるいは、運と向き合うことはとても大変なことです。
「なんで、良い会社なのに株価が下がるのか?」
「もしかしたら銘柄選択を間違えたのではないか…」
そんな不安がいつも頭をよぎるものです。
しかし、実際には株価自体はたまたま売りと買い、どちらが優勢かという偶然しか関係なく、あなたの個人的な判断や、もっと言うと、その会社がどんな会社かすら関係がありません。
そのような、タイミングや偶然と向き合わなくてはならない株式投資家が知るべき事実と考え方が理解できる1冊です。
いかがだったでしょうか?
ぜひ長期間に渡って成果を出している、正しい考え方を知って、あなたの株式投資を成功させてくださいね。