本記事のもくじ
1.はじめに:【実例あり】医師・歯科医師の資産形成の3つの具体的成功パターンとは?
投資や資産づくりをはじめてすぐの医師や歯科医師の方は、成功のイメージが湧きにくいものだと思います。
それもそのはずで、ご専門は臨床や医学の世界でしょうし、ほとんどの個人投資家は成功イメージなど持たないまま様々な投資に取り組んでいるからです。
ここで言う成功イメージとは、「どのような方法を組み合わせてどこに向かえばどんな生活になるのか?」という具体的なゴールです。
そして、ゴールがわからなければ、当然ながら投資の手段を選ぶ基準もわかりません…
そこで、本記事では私自身が実際にお手伝いした3人の医師の方の資産づくりの具体的事例をお話します。
それぞれの方の資産づくりの前の経済状況や具体的にどの投資をしてどのような結果になったのか、リアルな金額も交えてお話していきます。
このような事例を見ていただくことで、あなた自身の投資の良い参考にしていただけることでしょう。
なお、具体的な数字や金額も交えてお話するために、お名前はイニシャルだけにさせていただいております。
2. 医師・歯科医師の資産形成の3つの具体的成功事例
ケース1:開業医2代目女性医師N様
開業医2代目医師N様のご状況とお悩み
1つ目のケースは、地方で産婦人科を経営されている女医のN様です。
ご実家の病院は、お父さまの代から長年つづく地元でも歴史あるクリニックです。
収入と支出のバランスがすばらしく、資産の蓄積自体はかなりあるものの、貯金と保険以外の選択肢をまったくご存じない状況でした。
投資には明るくないご本人も、「このままではインフレなどで減ってしまうのではないか?」と漠然とした焦りを感じていらっしゃったようです。
また、同じくお医者さまでいらっしゃるお母さまの長年の蓄財もあり、それをどうやって自分たち以降の世代に受け渡すかも課題の一つとなっていました。
開業医2代目医師N様への私からの資産づくり提案
まず最初に、不要な保険の整理をていねいに行いました。
貯金と保険しか選択肢をご存知なかったために、ご家族全体で約30本もの保険(!)に加入されている状態でした。
すでにセーフティネットとなる金融資産は充分お持ちでしたので、もちろん保険はほぼ必要はありません。
よって、基本的にすべての保険を解約もしくは払済として、整理を行いました。
ただし、日本の保険の利率が高かった時代の「お宝保険」だけは残す選択をしています。
次に、海外信託商品を活用して、引退後の資金の運用を行いました。
日本ではあまり馴染みがない商品ですが、グローバルには大変ポピュラーな商品です。
わかりやすく言えば「運用機能付き銀行口座」で、保険のような融通の効かなさもなく、自由に運用中の積立金額変更や引き出しができる商品です。
また、信託(Trust)の仕組みがあることで、予想外の賠償請求やクリニックの破綻などにも備えることができます。
基本的な考え方として、しっかりとビジネスの収益があがっている経営者の場合、「攻め」より「守り」の発想がとても重要です。
というのも、ビジネスでお金が増えるので、投資でリスクを不用意に取って増やしにいく必要がないのです。
また、お母さまの相続予定の財産については、とにかく何があるのかを明確にする作業をおこないました。
保険・株式・不動産・その他の実物資産まで、お持ちのものがとても多岐にわたるため、大変な作業となりましたが、
とにかく「何がどれくらいあるのか?」が把握できたことでご家族全員が一安心されたようです。
開業医2代目医師N様の資産づくりの成功要因
この1つ目のN様のケースが成功した要因は何でしょうか?
ずばり、しっかり「守り」に徹したことでしょう。
必要なくお金は増やさない、そういった割り切りあるいは欲の無さは、実はとてつもない強みになります。
なぜなら、お金は増えるかもしれないが減るかもしれない投資がそもそも選択肢から排除されるためです。
多くの人は、このような投資の明確な方針がないために、多すぎる投資の選択肢の前に立ち往生したり、あやまった選択をしたりします。
その点、明確な投資の方針さえあれば、間違いのない意思決定がスムーズにできるのですね。
ケース2:30代男性勤務医S様
30代男性勤務医S様のご状況とお悩み
2つ目のケースは、複数の勤務先を抱える都内在住の医師のS様です。
税引前のご年収は1700万円ほどでした。
投資経験は、株式や投資信託を遊びで買ったことがある程度の方です。
医師としてのキャリアだけでなく、自由な時間を確保してプライベートも充実させたいとのお気持ちがありました。
ご預金は1000万円ほどあるものの、たくさんの投資のオプションの中から一体どう動かしてよいかわからずご相談いただきました。
30代男性勤務医S様への私からの資産づくり提案
ご年齢も若く、医師としての超高属性を活かした不動産投資を真っ先に進めることになりました。
加えて、今後の追加投資時の融資と税金が増えすぎることを避けるため、新設法人での購入を選択しました。
結果的に、1億5000万円ほどの木造新築マンションを購入することができました。
満室稼働時には、返済を差し引いたあとで30万円前後のキャッシュを毎月残すことが可能です。
「借金を入居者に返済してもらいながら現金を残す」これが融資を使った不動産投資の最大の強みでしょう。
今後入居や返済の実績等が積み上がってくれば、再度法人で新たな物件を取得することも可能でしょう。
また、余剰資金のディフェンスおよび引退後の資金づくりとして海外信託も活用していただくことになりました。
こちらの商品は、不動産以上にすることがなく、基本的には放ったらかしにできますので、S様の理想のライフスタイルにまた一歩近づくことができました。
30代男性勤務医S様の資産づくりの成功要因
この2つ目のN様のケースが成功した要因は何でしょうか?
それは、「日本でもっともお金が借りやすい職業」と言ってもよい医師としての属性をフル活用できたことでしょう。
そして、ただ不動産を買うだけでなく、しっかり適正価格で優良一棟マンションを買えたことです。
これには、私から信頼できる不動産仲介業者さんを紹介したこと、そして、不動産の具体的な目利きの手順を学んでいただいたことが寄与したと考えます。
医師はお金が借りやすいだけに高値で不動産をさばきたい業者のターゲットになってしまうケースが多数あります。
そうならないように、人的・ノウハウ的な防御を図ることがとても大切ですね。
ケース3:事業経営を目指す30代男性医師T様
事業経営を目指す30代男性医師T様のご状況とお悩み
3つ目のケースは、美容皮膚科がご専門・関西在住の30代男性医師T様です。
複数の勤務先を持ちながら、ご自身の医療関連事業の立ち上げを目指されています。
税引き前のご年収はおよそ2000万円ほどです。
特に、株式のペーパーアセットを中心にさまざまな知識はご存知なものの、株式・不動産・現物資産などをどう組み合わせて理想のポートフォリオをつくるのかに悩んでいらっしゃいました。
また、何か”耳寄り情報”があるとすぐお金を思い切り動かしたくなってしまうクセがあり、そちらへの対処も課題になっていました。
事業経営を目指す30代男性医師T様への私からの資産づくり提案
基本は事業の立ち上げに集中したいというご意向と、すでに非常勤の医師としての仕事で充分な収入はお持ちでしたので、身軽なペーパーアセット投資から取り組んでいただきました。
具体的には、「価格の安い株式に中長期で投資する」という非常にシンプルかつ手間のかからない方法を選択していただきました。
本記事を読まれている医師の方の中にも、多忙をきわめている方もいるかもしれません。
そんな方にも取り組みやすいほったらかし投資のひとつと言えるでしょう。
2~3個程度の安い銘柄をじっくり選んで投資したら、何か投資した前提を変えるようなことが起きでもしないかぎり放っておきます。
次に、不動産以外の実物資産であるアンティークコイン投資に取り組んでいただきました。
あまり馴染みがないかもしれませんが、インデックスファンドより安定高利回りを出せる可能性のある有力な投資先です。
というのも、株式の世界で時おり起こる暴落がほぼないからです。
また、日本では知る人ぞ知る、インフレにも非常に強い投資のひとつだと言えるでしょう。
こちらは希少性の高いものを中心に合わせて5000万円ほどを購入され、そのまま保有をつづけていただいています。
10年単位など株式の中長期投資よりも長い目線でほったらかしにして、どうしても必要なタイミングで売却するのが有力でしょう。
事業経営を目指す30代男性医師T様の資産づくりの成功要因
この3つ目のT様のケースが成功した要因は何でしょうか?
それは、ルールや商品自体で自動的にお金を動かしたい気持ちを抑えたことです。
投資へのモチベーションが旺盛な方の場合、お金を動かしたい自分の気持ちを適度に抑えることが重要になります。
なぜなら、資金を動かしすぎてしまうと、損失につながることがほとんどだからです。
その点、バリュー株投資の明確なルールや良い意味で売りたくないと思える希少性の高いアンティークコインを買うことでご自身に制約条件をつけることができたのが良かったでしょう。
また、コインなどの現物資産は贋物リスクや過度な高値づかみのリスクを避ける必要があります。
そのためには、信頼できるショップとつながることがとても大切です。
その点、私自身も長年の取引実績のあるショップと繋がっていただけたことは大きな価値があったと思われます。
3.まとめ:医師こそ現状と理想を見据えたていねいな資産づくりを
3つの医師の資産づくりの具体的事例、いかがだったでしょうか?
あなたもご自身のいまお持ちの資産、そして、経済的に叶えたい理想を元にていねいな資産づくりの計画を立ててみましょう。
また、本記事に書いている以外にも投資の選択肢はとても多様です。
ぜひそんな自由な世界で楽しみながら理想の生活へと向かっていただければ幸いです。