0. いま、一番おすすめの投資の種類や方法を教えてと言われたら?
リアルのマスメディアやインターネット上で、
「いまおすすめの投資はなにか?」
というトピックを時折目にします。
実は、私がおすすめの投資は何か?と聞かれると、
「(全員に)おすすめの投資案件は存在しません」
というのが率直なお答えになってしまいます。
しかも、「知りません」ではなく「存在しません」です。
私が知らないのではなく、そんなものは無いということです。
今回の記事では、その理由は何なのか、そして、このテーマについてどのように考え、アクションすればよいのか、
私が資産を築く過程で学んだこと・経験したことを交えながら、お話ししたいと思います。
1. 「全員におすすめ」の投資案件など存在しない理由
すべては目的地と現在地による
さて、まったく年齢も年収も同じ、一卵性双生児の兄弟(Aさん・Bさん)がいたとします。
2人は、遺伝子も見た目も同じで共通点ばかりですが、1つだけ違っていることがありました。
投資をすることでどのような成果を挙げたいかということです。
Aさん:「40年後に最低限以上の老後生活を送りたい」
Bさん:「5年前後の短期間でセミリタイヤしてしまいたい」
さて、共通点だらけのAさん・Bさんですが、2人の希望を叶えるための投資プランと実践する内容は同じになるでしょうか?
・・・
―絶対になりえませんよね。
これは、特に投資をやっていない人でも大体わかるのではないかと思います。
老後に備えたいだけのAさんであれば、月々のサラリーから手数料の安価な積立投資を愚直に続ければ、目標は簡単に達成できてしまうでしょう。
一方、Bさんであれば、まずはAさんと同じく土台固めをした上で、投資元金を大きく増やすためのスモールビジネスをするか、あるいは、不動産にも取り組んだほうが良いかもしれません。
(参考記事:【保存版:投資とは?】意味も知らずに投資してるやつちょっと来い)
例えば、AさんにBさんと同じ内容を勧めたとしても明らかにtoo muchです。
目標は達成するためには、スモールビジネスや不動産投資に、手間や時間をかける理由が何一つ無いからです。
また、逆に早期リタイヤ希望のBさんがAさんと同じことをしてしまったら、日本からアメリカまで行きたいのに、太平洋を遠泳しているようなものです。
膨大な時間がかかる上に、そもそもたどり着ける可能性自体が相当に下がってしまいます。
(参考記事)
【保存版】やらないと絶対損する投資のゴールを決める3ステップ
高収益=おすすめではない
よく「収益性が高いのでおすすめ!」というようなことを言う人もいますが、先程の話からするとこれもまったく違います。
収益性は、以下にも挙げたように、投資商品のたくさんの性質のひとつでしかありません。
・リスク:リターンのばらつき
・リスク(リターンのばらつき以外のリスク):流動性/信用他
・投資する前/投資した後にかかる時間や手間
・他人のお金(借金等)の使いやすさ
・税金のかかり方
・最低投資金額
…etc.
これらをすべて無視して、特定の誰かにあう投資商品とはとても言えないのです。
断言する人はどういう人か
それでは、どうして「この投資商品が絶対におすすめ!」などと断言(私からすると妄言)してしまう人がいるように見えるのでしょうか。
勉強と実践が足りない
まず、1つ目は投資の勉強と実践が足りないケースです。
投資で世界トップクラスの成果を出している人、あるいは、投資でセミリタイヤを達成した人などで、こういった断言をする人を目にしたことは一度もありません。
それは、学べば学ぶほど、究めれば究めるほど、自分がやっていなくても成功できそうな多くの方法が見えてくるものだからです。
そのため、知れば知るほど「この投資方法が一番」などと軽はずみに発言できなくなるのです。
例えば、不動産など1つの資産の種類に絞っても、それなりに勉強し尽くしたか?と思う度、新たな発見があり、まさに「分け入っても分け入っても青い山」なのです。
特定の商品を勧めたい
次に、2つ目は「特定の商品を勧めたい」ケースです。
迷わせないためのセールストークとしてはまったく結構ですが、あなたの投資の目的地や希望も訊かずに勧めらたとしても話を聞く価値はあまりないでしょう。
拝金主義に取り憑かれている
最後の3つ目は「拝金主義に取り憑かれている」ケースです。
「儲かる投資商品→誰しも投資すべき」
という単純な条件付けに疑問も持たず染まっている人が結構います。
この理屈で行動すると、儲かりそうな案件があれば節操なく投資することになります。
そして、仮に一定の収益が出たとしても、何も目的地(=成功の基準)が決まっていないので、いつまでも良さそうな案件を探してフラフラとさまようことになります。
(言葉が過ぎるかもしれませんが、エサを見つければとりあえず口に入れる、メスがいれば追いかけまわすサルのようなものです。)
特に、日本はまるで空気のように違和感なく拝金主義が浸透していますので、意識しておくのが賢明だと思います。
(参考記事:日本は空気並みに感じない「ハイパー拝金主義」)
P.S.ちなみに、この発想にハマっている人で豊かな人を私は見かけたことがありません。
2. 何にどう投資するかは最後の最後で良い
まずは何を目指すか決めよう
以下の記事でもお話していますが、何よりもまず「目的地」を具体的、かつ、リアルに決めていきましょう。
これで、やっとスタート地点に立てたことになります。
(参考記事)
【保存版】やらないと絶対損する投資のゴールを決める3ステップ
その上で、「現在地」と「目的地にいつまでにたどり着きたいか」を決めていきます。
また、多くの投資家(候補)がやっていませんので、成功の基準があるだけで相当アドバンテージがあるのではないかと思います。
最後に「パーツ」を組んで行く
目的地と現在地、そして、目的地に行くまでの目標期間が具体的にわかりました。
(ダイエットで言うならば、目標体重と現在の体重、そして、痩せるまでの期間が決まったということです。)
ここでやっと自分にマッチする投資商品や投資資金を確保する方法を選んでいくことができるようになります。
(つまり、痩せるための食事や運動などのメニューが決められるようになるのです。)
「何にどう投資するかは最後の最後」と覚えていただけたらと思います。
3. まとめ
本記事のポイントを3つにまとめると、
・全員におすすめの投資案件は、定義上存在していない
・それは、個々人の目的地と現在地、目標期間によってしか、合う投資案件を選ぶことは出来ないためである
・「何にどう投資するか?」は最後の最後に決めれば良い
ということでした。
みなさんが、それぞれの目的にマッチした投資で正しい道を進めるよう心から願っています。
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