1. 【株式投資ってギャンブル?】その共通点と違いを徹底解説
「株式投資って、簡単に損するからギャンブルでしょ?」
そのように考えている方も多いかもしれません。
しかし、本当のところはどう考えれば正しいのでしょうか?
本記事では、筆者が投資だけでセミリタイヤした知識と経験を元に、株式投資とギャンブルの本当に違うところ、そして、実は共通しているところを徹底的に解説しています。
* 本記事での「株式投資」とは、中長期に渡って保有する投資スタイルを前提にしています。
2. 株式投資とギャンブルの共通点
2-1. タイミングや運が結果を左右する
まず、どちらもタイミングや運が結果を左右する点を忘れてはいけません。
株式投資はギャンブルではない、と言いたいがために「投資には、タイミングや運が関係ない!」とまで言ってしまっている情報も目にしますが、これは明らかな間違いです。
いずれも、どのタイミングでお金を投じるか、どの銘柄や馬券を選ぶか、は必ず結果に影響します。
ただし、「3-3. 勝つ確率をコントロールしやすい/しづらい」でお話する通り、株式投資にはタイミングや運をコントロ―ルする方法があり、それを実践することでタイミングや運の影響を最小限に抑えることができるのです。
2-2. 確率のゲームである
次に、どちらも確率のゲームだ、ということを挙げておきましょう。
株式投資において、あなたがいくつかの個別銘柄に投資すると、それぞれの価格は一定の確率で上下動を繰り返していきます。
そのため、あなたが投資して利益を出せるか、損失が出るかは、その確率の中で「たまたま」決まります。
あなたは株式投資全体として、利益が出ることもあれば、損失を出すこともあるでしょう。
また、あなたが投資した銘柄のうち、上がる銘柄もあれば、下がる銘柄もあるでしょう。
一方、例えばギャンブルのひとつである宝くじは、各当選金額が当たる確率は事前に決まっています。
あなたは、「たまたま」高い当選金を得ることもあれば、「たまたま」大した当選金を得られないこともあるでしょう。
このように、どちらもある出来事が「たまたま」起きる一定の確率のゲームなので、どう上手にこの偶然の出来事と向き合って行くかがカギになっていきます。
例えば、プロが運用する投資信託もダーツで適当に決めた銘柄選択に勝てないと言われることもあります。
これは別に不思議なことではなく、いかに偶然の要素が大きいのかを示しているだけの事例だと思います。
個人の投資家は、「3-3. 勝つ確率をコントロールしやすい/しづらい」でお話する通り、株式投資には「偶然」に上手に対処する方法がありますので、それを活用していくのが良いでしょう。
3. 株式投資とギャンブルの違い
3-1. プラスサム/マイナスサム
株式投資では、さまざまな企業に投資をしていきます。
そして、その企業はビジネスを行うことで、全体としては、どんどん利益を増やし、成長していきます。
そのため、あなたのような投資家が投じたお金は全体として増えていくのです。
これを「プラス・サム」と言います。
一方、ギャンブルでは、基本的に投じたお金の合計が増えることはありません。
むしろ、賭けを主催している人(胴元)が利益を出さなくてはいけませんので、その分参加者に返って来るお金は少なくなります。
これを「マイナス・サム」と言います。
つまり、仕組み上、プラス・サムである株式投資の方が、きちんと利益を出せる可能性が非常に高くなるのです。
3-2. 資産保全に使える/使えない
資産を作る上で忘れてはいけないのが、「資産保全」の観点です。
日本人は投資において、とかく増やそうとばかりしますが、これは世界の常識ではありません。
まずその前に、インフレと呼ばれる物価上昇や通貨の価値が下がっても、資産価値を減らさない保全の仕組みができていることが大切なのです。
株式投資は、その会社が持っている利益を生み出すための建物や設備、その他の価値ある資産を間接的に所有することができます。
そのため、物価上昇(インフレ)が起きても、物価上昇に合わせて値段が上がるため、価値をしっかりと保つことが容易にできます。
一方で、ギャンブルで資産保全をすることは基本的に難しいでしょう。
例えば、(普通は持ち出せませんが)パチンコ屋さんの出玉やカジノのチップをずーっと持っていたとしても、資産の価値としては保存することが難しいものです。
仮に店の外に持ち出せたとしても、銀行預金などと同じく、物価が上がったり、通貨の価値が下がったりすれば、大きくその価値を落としてしまうでしょう。
3-3. 勝つ確率をコントロールしやすい/しづらい
株式投資では、3-1. プラスサム/マイナスサムでお話した通り、全体としては市場が伸びていっていますので、以下の2つの方法を取ることで、勝つ確率をコントロールすることができます。
- 中長期の長い期間で投資を行う
- 購入と売却の回数を大きく増やす
この2つを行うことで、購入と売却のタイミングや運のリスクを抑えながら、株式市場全体の成長を取り込んでいくことができるのです。
さらに、これらは、特に投資や金融の知識がなくても、まったくの初心者だったとしても、簡単にできてしまう方法です。
一方、ギャンブルでは、ポーカーなどのカードゲームでよほどの腕前があるなど、例外的な場合を除いて、勝つ確率をコントロールすることはできません。
基本的に、あなたが勝つ確率をコントロールできるのは、賭けを主催している人(胴元)だけです。
特に、宝くじや競馬などでは、勝つ確率をコントロールすることは一切できないでしょう。
いかがだったでしょうか?
みなさんも、株式投資とギャンブルの違いを正しく理解して、上手な投資や資産形成に役立ててみてくださいね。