2020/06/03 目次を更新して、参考記事を追加しました
1.不動産投資の家賃収入は「幻」にならないよう注意しよう
不動産投資を実際にやっている方、あるいは、これからやってみたいと思う方にとって、とても大切なことの一つ。
それは、将来得られる家賃の水準を正しく評価しておくことです。
今回はそのための正しい考え方と評価の基本について解説したいと思います。
2.レントロールに載っている数字の真実
あくまで「想像上」の数字
不動産を買おうとする時、通常「レントロール」などと呼ばれる、家賃の内訳と合計が記載された表をもらいます。
この情報を元に、立地や建物属性、融資の条件などさまざまな条件を加味して、投資するかどうかを決めていきます。
そして、レントロールに記載されている賃料は、「(各部屋の)家賃水準×稼働率」で決められています。
この2つの「想像上の数字」は、あくまで仮定の数字にすぎません。
そして、この2つの掛け算である賃料は、計算式の通り、仮定に仮定を重ねた数字にすぎません。
実際に、投資後にこの2つのどのように動くかで、まったく収益性が変わってしまいますので、この2つの数字がどのような背景で決まっているか理解することはとても重要です。
募集賃料VS成約賃料
まず、賃料について理解しておくべき概念の一つが、「募集賃料」と「成約賃料」です。
・募集賃料:賃貸募集サイトや店頭などで募集されている賃料
・成約賃料:募集の結果、実際に入居者が決まった賃料
実際に、ある部屋の賃貸募集が特定の条件で出ているからと言って、その金額で決まるとは当然限りません。
水準が合っていないと、賃料交渉の結果、募集賃料よりも下がるケースもありますし、相場から乖離していると見込み客も集まらないことになります。
そのため、想定の賃料については、両方の情報を確認するようにしていきます。
数字の信憑性としては、当然成約賃料が上になりますが、募集賃料と異なり、データを一覧で取りにくいものでもあります。
成約賃料については、仲介の不動産会社などに少なくとも5件くらいは情報をもらうようにしましょう。
実績の賃料VS予測の賃料
次に、押さえておくべきポイントは、「実績の賃料」と「予測の賃料」です。
例えば、中古の物件を買う場合、過去からどのような賃料で貸されてきたかという実績の賃料があります。
もちろん、将来的に状況は変化していきますが、類似物件ではなく、買う物件の部屋自体に実際に値段が付いた情報なので、かなり参考にしやすい情報です。
一方、新築の場合、過去の賃料実績というものが存在しません。
そのため、周辺の類似物件の状況から推測するしかありません。
当然ながら、不動産には立地や間取り、その他の条件を含めて、まったく同じモノは存在しませんので、どこまでも推測の域を出ないということになります。
(例えば、仮にまったく同じ構造の物件だったとしても、まったく同じ場所に建てることはできないのです。)
以上のような理由で、通常、新築物件の方がより慎重な評価が必要になるのです。
3. 真実の数字を知るための方法
それでは、投資を検討するために正しい賃料の数字を知るにはどうすればよいのでしょうか?
基本的な3つのステップについて
募集賃料:募集サイトでのチェック
まず、募集賃料を知るために、デスクトップで募集サイトを確認していきます。
自分が購入しようとしている物件とほぼ同様の立地、間取り、設備、築年数などの条件を入力して、賃料を確認していきます。
金額の大小順で並べていくと、どのような物件が高賃料で募集しているか、などのおおよその雰囲気も掴むことができます。
なお、まれに大手サイトでも類似物件の賃料水準がやや違うように感じることがありますので、主要サイトはすべて確認することをおすすめします。
成約賃料:仲介業者へ依頼
次に、成約賃料を知るために、仲介業者に依頼をします。
類似物件について、最低5件、できれば、10件ほど直近の事例をもらいます。
先程もお話したように、募集賃料と成約賃料は別物ですので、最初に確認した募集賃料の水準と乖離がないかよく確認しましょう。
そして、ある場合には、その理由を確認しておくことが大切です。
複数の管理会社に査定をさせる
そして、最後は複数の管理会社に賃料査定をしてもらいます。
少々手間がかかるため、具体的に融資付けの目処などが立ってからでも大丈夫ですが、とても大切なプロセスです。
最低3社(できれば4-5社)、物件を管理してくれる可能性ものある管理会社に依頼します。
この際、自分がどのくらいで決められそうと思っているか、目安の賃料については一切情報を出さないようにします。
そのような情報を出してしまうと、意識的・無意識的にアンカーになってしまい、査定結果が歪んでしまうからです。
また、管理会社は管理契約が欲しいため、できれば高い賃料で査定したい一方、
実際に契約すると、当然自分たちが管理するため、成約できる自信のない数字では査定できないという状況になります。
そのため、適正な査定をするインセンティブが自然と働いてくれるのです。
複数社が出してくれた査定情報によって、さらに賃料予測の精度を高めるとともに、投資後の管理体制づくりも同時に進めていくことができます。
4. まとめ
いかがだったでしょうか?
他人のお金(融資など)を使って資産を急拡大できる不動産投資で、ぜひ皆さんが成功されることを祈っています。
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