本記事のもくじ
1. はじめに:【超重要】医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための7つのポイント
日本人は投資において、「お金を増やす」ことばかりを考える傾向にあります。
しかし、世界の投資の常識は「お金を増やす前に守る」です。
なぜなら、投資でお金を失くすことはあまりにも簡単だからです。
コツさえ知れば投資でお金を増やすのは簡単ですが、増えたお金を失くすのはその100倍簡単(!)なのです。
だからこそ、投資元本がまるまる無くなったり、借金だけが残ってしまうような投資の詐欺にはいつでも注意しておく必要があります。
特に、投資余力や借り入れ能力が高いことが多い医師・歯科医師であれば被害は甚大です。
それでは、そのような事態を避けるためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか?
本記事では、投資だけで30歳×10億円でFIREした私が気をつけるべきと考える7つのポイントについて詳しく解説します。
そもそも投資の詐欺とはいったい何か?
まず投資詐欺を避けるためのポイントの前に、そもそも投資の詐欺がいったいどういうものなのか、一緒に確認していきましょう。
筆者は、投資の詐欺とは主に以下の3タイプに分けられると考えています。
- 最初から騙すつもりで投資商品・営業体制がつくり込まれている
- 騙すつもりはなかったが事前の約束をまったく守れない
- 投資商品の真実を投資家有利に歪曲して伝える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、ここからは商品にお金を出す私たちを「投資家」、お金を預かって運用する人を「運用者」、投資商品を私たちに売る人を「販売者」として表記します。
1-1. 最初から騙すつもりで投資商品・販売体制がつくり込まれている
まず、1つ目のタイプは「最初から騙すつもりで投資商品・営業体制がつくり込まれている」です。
これが詐欺のイメージにもっとも近い悪質なタイプと言えるでしょう。
そもそも約束している方法で運用する気は元からなく、お金をだまし取るつもりで商品や販売体制がつくられているものです。
商品も高いリターンとそれが出るまことしやかな理由と説明、そして、販売体制も短期間で多額の投資を集めるために高い手数料を支払う形になっていることが多いものです。
例えば、投資したお金を農園や牧場で運用しますと言われていたが、実際には農園や牧場そのものが存在しなかったというようなパターンです。
1-2. 騙すつもりはなかったが事前の約束をまったく守れない
次に、2つ目のタイプは「騙すつもりはなかったが事前の約束をまったく守れない」です。
お金を預かる運用者は当初しっかりと運用するつもりがあったが、運用そのものの失敗もしくはそもそも計画が甘すぎたなどの理由によって約束のリターンがまったく出せない場合です。
運用の失敗自体はどの投資にもあり避けられないものですが、あまりにも計画がアグレッシブすぎる場合、そもそも収益見込みをつくった運用者に大きな過失があると言えるのです。
なお、本当はタイプ1の「最初から騙すつもりで投資商品・営業体制がつくり込まれている」だったにもかかわらず、言い訳としてコロナショックなどの不可抗力で運用が失敗したと主張するケースもあります。
ちなみに、バーナード・マドフの世界的にもっとも有名な詐欺事件も、最初は正しく運用されていたと言います。
ところが、運用実績が芳しくなくなったため、実際の数字をいつわって顧客に伝えるようになったのです。
1-3. 投資商品の事実を投資家有利に歪曲して伝える
次に、3つ目のタイプは「投資商品の事実を投資家有利に歪曲して伝える」です。
投資商品そのものや実態はあるものの、リターンが下がる可能性や追加の大きな経費がかかる可能性について正しく説明しない、あるいは、事実とは異なる内容を説明してしまう場合です。
例えば、本当は稼働率低下などの可能性があるにもかかわらず、それないかのように不動産を販売してしまう、などのケースが挙げられます。
販売者側の重大な説明不足とするのか、投資家側の理解不足とするのかは、どれだけ重要な情報が伝えられなかったのかによるので、詐欺と考えるかどうかは微妙なところがあります。
2. 医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための7つのポイント
2-1. 医師・歯科医師はとても騙されやすい立場だと知る
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント1つ目は、「医師・歯科医師はとても騙されやすい立場だと知る」です。
多くの医師・歯科医師の方は、給与や借り入れによる投資余力がとても高いレベルにいらっしゃいます。
そうすると、大きな手数料が欲しい運用者や販売者からしてもとても魅力的な営業先ということになります。
結果的に、悪いことを考えている人にとってもメリットが大きく、医師・歯科医師に接近してきやすいことに十分注意しましょう。
また、医師の世界には専門特化した優秀な方がたくさんいる一方で、医療という閉じた世界の中で一般的な経済観念やビジネスの常識のようなものが欠落してしまうことがあります。
そのために、あからさまに収益の数字がおかしな投資案件であっても、それに気づかずお金を出してしまう、あるいは、法外な値段の不動産であっても買ってしまう、という医師が後を絶ちません。
ぜひあくまで良い意味で「自分には悪い人が寄ってくる可能性が高く、それを防ぎきれないリスクも高い」ということを認識しておくのが大切でしょう。
なお、ポイント1については、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
2-2. 投資利回りが高いものはすべてハイリスクだと認識する
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント2つ目は、「投資利回りが高いものはすべてハイリスクだと認識する」です。
多くの投資詐欺では、一般的な投資商品よりもはるかに高い利回りを謳うものがほとんどです。
(やはり、そうでなければみなお金を出しませんよね。)
例えば、過去の一般的なインデックスファンド(日経平均などの株式指数に連動する商品)のリターンが年間6~7%だとすると、年間で20%や30%、ものによっては60%もの収益性を謳っているものさえあります。
ファンド投資のプロでも毎年安定して10%や15%を超えるリターンを出すのは困難なのですから、通常は高すぎる収益は非現実的であることがほとんどです。
もちろん、リターンが高いものがすべて詐欺だと言いたいわけではありません。
ただし、高い収益を謳えば謳うほどその実現は難しくなり、元本を失うリスクが高まるのはすべての投資にすべからくあてはまる事実です。
そのため、どんな説明をされようとも【ハイリターン=ハイリスク】の図式がいつも成立することを忘れないでください。
つまり、”増えやすい商品ほど減りやすい”のです。
ちなみに、こういった高利回り商品の紹介では「この商品だけ特別に高いリターンが出る理由」をまことしやかに説明されることがほとんどですので、鵜呑みにしないよう注意しましょう。
2-3. 投資商品の数字の仕組みを確認する
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント3つ目は、「投資商品の数字の仕組みを確認する」です。
通常の投資商品は主に、私たち投資家・お金を預かって運用する運用者・商品を紹介する販売者の三者で構成されています。
(出所)筆者作成
- 投資家は運用者に投資元本を出して、運用と販売の手数料を差し引いた収益を提供する
- 運用者は投資家から預かったお金を運用して、運用手数料をもらう
- 販売者は運用者に投資家を紹介して、販売手数料をもらう
ざっくりいうと、このような図式になります。
この三者の数字の仕組みが破綻していないか確認することはきわめて重要です。
例えば、下記の数式は商品全体として、運用期間全体を通してかならず成立する必要があります。
投資家利益+販売手数料+運用手数料 < 運用者の運用益(総額)
運用者の運用益(総額)はかならず私たち投資家の利益と各種手数料の合計より高い必要があります。
そうなっていない場合、設計ミスで商品自体が破綻する可能性や詐欺である可能性が高いことを意味しています。
そんな商品あるの?と思う方もいるかもしれませんが、個人的に募集している私募ファンドではあからさまに数字が合わなそうな話をよく見かけます。
さらに、先ほどもお話した通り、優秀な運用者でも高いリターンを何年も出し続けることは容易ではありません。
「運用者の運用益(総額)」がざっくり計算で年率20%~30%を超える必要がある場合、その実現にはかなりリスクがあるとみるべきでしょう。
2-4. 投資商品の運用者の立場を理解する
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント5つ目は、「投資商品の運用者の立場を理解する」です。
例えば、月間10%も稼がせてくれるという魅力的なFX(為替)ファンドがあったとします。
毎年10%ではなく、毎月10%です。
投資にくわしい人であれば、この商品を単利ではなく利益を再投資する複利で運用すればどれほどのリターンが出せるか想像がつくことでしょう。
なんと、投資元本は12ヶ月で3.1倍、24ヶ月で9.8倍にもなります。
この運用でほんとうに月10%が出せるかどうかはさておいて、運用者の立場で考えてみましょう。
実際には私たちに払い出すリターンだけでなく、自分自身の運用報酬や販売者に払う手数料などを稼がなくてはなりません。
そうすると、運用者はかるく月10%を超えるリターンを出す自信があるということになります。
つまり、投資家側よりも劇的なリターンが望めるわけです。
しかし、そうだとすると疑問が残ります。
小さい元本でも大きく儲かるのに「なぜこの人はわざわざお金を集めているのか?」ということです。
これだけのリターンだとこの問いに経済合理的な答えを出すことは難しいでしょう。
よくあるパターンだと、自分は儲かっているのでみなに還元したい、あるいは、自分の大金で運用するよりリスクとリターンをシェアしたいなどの理由がついてきますが、こういう説明を信じるかはあなた次第です。
2-5. 販売者の姿勢やふところ具合を確認する
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント6つ目は、「販売者の姿勢やふところ具合を確認する」です。
販売者の姿勢とは、販売者が私たち投資家の利益をしっかりと考えているのか、あるいは、自分の利益しか考えていないのか、そのどちらに傾いているか?ということです。
私自身、これまで多くの販売者を見て、自分自身の嗅覚を養ってきました。
実際に、販売者が自分の利益のことしか考えていない場合、投資商品も危険であることがほとんどです。
なぜなら、販売者がやっきになって売りたいということは、販売手数料が高く、投資家のリターンの取り分が少ないことを意味しているからです。
これは、投資詐欺にかぎらず、銀行のカウンターで紹介される投資信託でも同じことです。
私は失礼ながら貧しい人が手数料稼ぎにやっているなと思うと、どんなに良さそうに見えてもその後の話は一切聞かないようにしています。
人によってセンスの違いはあると思いますが、個人的な経験としてはこの手の直観はとても当たるものです。
やはり、投資でお金持ちになりたいならば自分よりも投資でお金持ちになっている人の話を聞くべきでしょう。
ちなみに、悪質な投資詐欺であるにもかかわらず、販売者がその事実を知らずにマジメに紹介しているケースもありますので注意しましょう。
2-6. 立派なオフィスや契約書の存在は全く関係ないと知る
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント7つ目は、「立派なオフィスや契約書の存在は全く関係ないと知る」です。
私のところに相談にいらっしゃる方にも、
- 立派なオフィスに案内されたので安心だと思う
- しっかりとした契約書があるので約束が守られるはずだ
そのように考えて、投資契約を巻いてしまう方もいるようです。
しかし、実際には立派なオフィスや契約書と投資商品の信頼性はまったく関係ない(!)と知っておきましょう。
立派なオフィスを持っている会社だと多くの人がなんとなく安心してしまうものですが、運用を任せる相手としては質素なオフィスの方が実は安心とも考えられます。
というのも、高コストなオフィスであるほど運用社の負担は大きく会社の破綻確率が高いとも考えられるからです。
(ちなみに、運用会社の代表がロールスロイスやベントレーに乗っていても、それはただの借り物かもしれません。)
本来、契約書はお互いに約束を守る意思のある両者が契約内容に齟齬がないように文書化するものです。
もし契約をする運用者が最初から約束を守る気がなければ、ただの紙切れでしかないのです。
さらに正式な契約書があっても、先方に運用の失敗などで元本を返す資力がなくなっていれば、約束は何も意味を持たないのは言うまでもありません。
2-7. 投資の機会は「いつでも」「いくらでも」あるので焦らない
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための8つのポイント8つ目は、投資の機会は「いつでも」「いくらでも」あるので焦らないです。
投資詐欺の商品はたくさんの人に早く多く買ってもらうために、
「もうすぐ投資の枠が埋まってしまうので急いで欲しい」
「xxxx万円以上入れるとさらにリターンが上がる」
「この商品に投資できるラストチャンスです」
などのセリフで投資を煽ってくることがよくあります。
これらのコメントを聞いても焦る必要はまったくありません。
というのも、投資の機会自体は「いつでも」「いくらでも」あるからです。
私自身、株式・オプション先物・不動産・コモディティ・不動産以外の現物資産などあらゆるものに投資してきましたが、いまだに新しい発見があります。
そして、きわめて真っ当な方法で資産を守り増やす方法はほんとうに無数にあるのです。
あなたがもし投資の成果が出なくて焦っていたとしても、危うい商品に大切な資金を預ける必要などまったくないのです。
販売者が煽ってきたときこそ冷静になるべきですし、そもそもそんな売り方をしている時点で付き合うべき相手ではないと考えましょう。
3. まとめ:無用な投資詐欺とのかかわりをなくして上手な資産づくりを
- 医師・歯科医師はとても騙されやすい立場だと知る
- 投資利回りが高いものはすべてハイリスクだと認識する
- 投資商品の数字の仕組みを確認する
- 投資商品の運用者の立場を理解する
- 営業マンの姿勢やふところ具合を確認する
- 立派なオフィスや契約書の存在は全く関係ないと知る
- 投資の機会は「いつでも」「いくらでも」あるので焦らない
医師・歯科医師が投資詐欺を95%以上避けるための7つのポイント、いかがだったでしょうか?
やはり、このような案件にかかわってしまうと、お金もさることながら、取り返すことに無駄なコストや時間、そして、精神エネルギーを持っていかれてしまうことが大きなリスクです。
あなたもぜひ付き合うべき人、そして、検討に値するすばらしい投資方法を上手に探して、ご自身の資産づくりを大成功させていただければと思います。