0. はじめに
「投資で失敗した!」
損失が自分の想像より大きく出た時、元本がなくなってしまった時、、、
失敗したと感じることがあるかと思います。
投資家ならいつか一度は経験する可能性がある、このような出来事について、いったいどのように考え、そして、対処したら良いのでしょうか?
私が資産をつくる過程で経験したことを踏まえて、そもそも本当に「失敗」なのか、そして、その捉え方について4つのポイントをお話したいと思います。
1. 目標がそもそもあるか?
まず、1つ目のポイントは「投資の目標がそもそもあるか?」です。
目標とは、自分が成功、あるいは、満足だと思える数字やそれを達成するまでの期間などのことです。
もし目標がなければ、実はその投資が成功だったか失敗だったか、判断することは絶対出来ません(!)。
なぜなら、成功の基準が何もないため、失敗も存在しないのです。
意外なほど、目標もないにもかかわらず、勝手に失敗したと考えてしまっている人は多くいるものです。
2. 判断する基準の再確認
次に、2つ目のポイントは「成功と失敗を判断する基準」です。
多くの人が、利益が出たか損失が出たかだけで、成功と失敗を判断しがちですが、それは間違いです。
投資の成功と失敗を分けるものは、正しくは下記の図のように「正しい行動を取ったかどうか」以上にはありません。
・自分の目標や資産額に応じて取れるリスク(リターンのばらつき)にマッチする商品を選んだかどうか
・ある商品を評価するのに、正しいプロセスを踏んだかどうか
(参考記事:【投資で大儲け】大成功したときほど反省すべき理由とは(概要動画付き))
特に、初心者で複数取り組んでいる投資のうち、1つでも損をすると、いても立ってもいられず、投資を継続出来なかったり、精神的に悩んでしまったりする人がいます。
これも、あなたは未来が見える神や完璧な預言者ではないと思いますので、ただ当たり前のことが起きているだけなのです。
3. 目標水準の再確認
3つ目は、「利回りなどの目標とする水準」です。
日本では低利回りの時代が長い影響なのか、金融リテラシーが低いせいなのか、目標が異様に高い人が多い気がします。
特に、資産水準が多くない方で、年率15-20%を越えるリターンの目標を掲げている人は毎年達成できず、フラストレーションを抱えることになるでしょう。
そのような方は目標に届かなくても、一喜一憂する必要は無く、目標自体を調整した方がよいかもしれません。
4. 判断する期間の再確認
最後の4つ目は、「判断する期間」です。
例えば、あなたが35年後の老後に備えて、長期の積立投資をしていたとしましょう。
積立を始めて1年後、積立と連動する株価が大きく下がり、損失が20%出たとします。
さてこれは老後に向けて、安定的に資産を築こうとしていたあなたにとって「失敗」と言えるでしょうか?
正解は、「失敗とも、失敗ではないとも判断ができない」です。
―35年という長期を見据えた投資にとって、1年というミクロの期間では、判断しようもないのです。
例えば、代表的な株価指数であるS&P500の長期データを見てみましょう。
前年からの変化率を示すグラフは以下のようになります。
こうしてデータを見ると、年間20%の変動など普通で、予想される範囲内のことが起きているだけだとわかります。
そして、仮にここでやめてしまうと、買うタイミングに依存せずにリターンを出しやすい積立投資の良さを捨ててしまうことになります。
5. まとめ
以上、投資で失敗したと感じたときに確認すべき点は下記の4つでした。
・目標の有無:投資の具体的な目標がなければ、成功とも失敗とも、本来判断は出来ない
・判断する基準:投資の成功と失敗の基準は、損益ではなく、合理的な正しい行動を取ったかどうかでしか本来判断できない
・目標水準:年率15-20%を超える高い目標である場合など、目標水準がアグレッシブ過ぎる可能性はないか?
・判断する期間:中長期の投資を直近の数字を見て、短期間で判断しようとするなど、投資期間と判断する期間が矛盾していないか?
皆さんの投資の正しい判断と成功に役立てば、とても嬉しく思います。
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