1. はじめに
本ブログをご覧の方には、
投資やビジネスの力を使って、人生の早い段階でセミリタイヤしたい!
そんな希望をお持ちの方も多いかと思います。
そして、ネット上や巷の情報を見ていると、、
「セミリタイヤにはいくら貯金・貯蓄が必要か」
「xx歳代のセミリタイヤにはxxxx万円の貯金が必要」
・・・
などをテーマにした情報をよく見かけます。
しかし、金額や年齢にかかわらず、貯金や貯蓄の発想は、
『もっともセミリタイヤに向かない』
ものの1つだと私は考えています。
本記事では、私が実際に30歳でセミリタイヤした経験をもとに、
貯金でセミリタイヤしてはいけない7つの理由
についてお話したいと思います。
2. セミリタイヤとは?
セミリタイヤとは、もとの英語で
“semi-retirement”です。
直訳すると、「半退職」ということで、
時々仕事に携わりつつも、その他の時間を自由に使える状態
を指します。
仕事への関わり方は、
パートタイムの専門職もあれば、会長や顧問、
あるいは、趣味や社会貢献としてのビジネスなど、
当然ながら形はさまざまです。
一方、人生の早い段階で完全に仕事をやめてしまう場合だと、
本来は「アーリーリタイヤ」や「早期退職」と呼ばれます。
一切の仕事をせずに、投資や権利収入などの不労所得、
あるいは、既に持っている資産を使いながら、
生活していきます。
日本語では、あまり厳密に区別して使われていませんので、
本記事では、完全なリタイヤメントとセミリタイヤを区別せず、
「人生のできるだけ早い段階でフルタイムの仕事から離れ、
自由な時間を持つこと」
を「セミリタイヤ」として定義したいと思います。
3.「貯金」でセミリタイヤしてはいけない7つの理由
それでは、具体的な「貯金」でセミリタイヤしてはいけない7つの理由
についてお話していきます。
なお、本記事での「貯金」は国内の銀行に日本円で預けられている
ごく一般的な預金を前提としています。
3-1.「切り崩す」生活のプレッシャー
まず、最初は貯金を「切り崩す」生活のプレッシャーです。
多くの人は実際に体験するまで気づかないのですが、
これは多くの人にとって大きな重圧になりえます。
例えば、
「暑い砂漠に置かれた鉄の檻に入れられて、ペットボトル1本の水だけで1週間生き延びろ」
と言われたらどうでしょうか?
1週間の間、限られた水で生きられるか、とても緊張を強いられるのも勿論、
たった一口、大切な水を飲むのさえ重圧になります。
これと同じことが、「あなたの一生」と「預金」に置き換わって、
より長い時間軸で起きるのです。
そして、預金が結構大きな額であっても、
人は限りが有るものを意外なほどに不安に感じてしまうものです。
自分が一生を終えるまでの間、
そんな思いをして暮らしたい方はいないと思います。
3-2.「失ってはいけない」マインドのリスク
また、限られた預金というものを意識しすぎると、
「失ってはいけない」という極端な守りのマインドに入ってしまいます。
・お金を使っても愉しくない
・良い時間や体験のためにお金を使ったはずなのに、罪悪感がある
・せっかく自由になったと思ったら、貯金に縛られていると感じる
・・・
いくらフルタイムの仕事から解放されたとしても、
こんな気分で生きていて愉しいでしょうか?
ほとんどの方はそんな生活をまったく望まないと思います。
また、「失ってはいけない」ということを意識しすぎると、
人の無意識は「失う」方向にかえって向かいやすい傾向にあります。
まるで、宝くじの高額当選者がすぐに当選金をなくすように、
虎の子の預金を失う可能性をマインド面から高めてしまうことになります。
3-3. 資産持ちの「貧乏人」
そして、先程お話した「失ってはいけない」マインド
が高まると何かが起きるでしょうか?
それは、貯金という資産をたくさん持った「貧乏人」
にあなたがなってしまうということを意味します。
・(貧乏人のように)お金を使うことを恐れ、
・(貧乏人のように)お金をなくすことを恐れ、
・(貧乏人のように)お金に縛られ、
・・・
これは、まさに多くの人がイメージする貧乏人の姿そのものだと思いませんか?
3-4. 日本円のリスク
実は、マインド以外に、
貯金されている日本円そのものにも、かなりのリスクがあります。
日本は、GDP比約250%、ダントツトップの借金国家(2018年)です。
(出所:OECD Data)
過去、これだけの借金を負って財政破綻や経済危機に陥らなかった国はありません。
奇跡的に、日本国債を国内の金融機関がほぼ買い受けるという状態が
続いているからこの状態を維持できているに過ぎません。
しかも、毎年の財政収支が改善する兆しは全く見られません。
現在50代以下の方は、人生の中で一度は日本の破綻、そして、日本円の大幅な価値の下落
に直面すると思ったほうが良いでしょう。
3-5. 国内口座のリスク
いずれ日本が財政破綻するとどのような事が起きるでしょうか?
その1つが「預金封鎖」です。
過去、関東大震災・終戦後の2回、日本でも起きていますし、
経済的に弱い国はもちろんのこと、
アメリカのような経済大国でも過去に数回起きています。
これは、国や政府が自らの借金返済のために、
国内の銀行から国民の預金を召し上げるものです。
(借金も払えず、通貨の信用も失われる状態が続くと、
一般の企業などと同じように、当然に政府は無くなってしまいます。)
そのため、国内の銀行だけにセミリタイヤ用の預金を置いている人は、
ほぼすべての資金を失う可能性があります。
3-6. インフレリスク
加えて、日本の財政破綻にともなって、起きること
ーそれは、「ハイパーインフレ」です。
国の信用力低下にともなって
日本円の価値が大きく下がりますので、
額面での物価が上がります。
例えば、
100円で買えたパンが100,000円になったり、
150,000円の家賃が15,000,000円になったり、
します。
また、もし財政破綻が起きなかったとしても、
すべての預金はインフレのリスクにさらされます。
最近物価が上がっていない日本にいると感じないのですが、
例えば、知り合いのヨーロッパ人からすると、
「最近、日本は物価安くて行きやすくなったね。まるで、タイみたい…」
と言われるように、グローバルのインフレからは
日本はどんどん置いてけぼりにされています。
3-7. 「長生きする」リスク
最後に、あなたの予想よりあなたが「長生きする」リスクです。
長生きすることは通常素晴らしいことだと思うのですが、
預金でセミリタイヤすると、そのことがリスクとなってしまいます。
多くの人が現在の平均余命データ、そして、身の回りのお年寄りを見て、
70代後半から80代、先見性のある人でも100歳くらいを自分の寿命
と考えています。
しかし、実際には、それよりも圧倒的にセミリタイヤしたあなたの寿命は
長くなる可能性があります。
それは、安定的に平均余命が伸びており、それがとどまるところを知らない
というのもありますし、
めざましく進歩している再生医療や代替医療の技術で
構造的にいままで想像もできないレベルで
例えば150歳や数百歳まで、寿命を長くしてしまう可能性があります。
SFのような、お金持ちが死ななくなる社会は夢物語ではないのです。
(参考記事:人生100年は甘い?! 投資家は「人生200年」時代を見据えよう)
そのため、いまの平均余命をベースにあなたの未来を描いてしまうと
大幅に資金計画の目論見が狂ってしまう可能性が高いのです。
4. まとめ
いかがだったでしょうか?
これから投資やビジネス等でセミリタイヤを目指す方の
参考になりましたら嬉しく思います。
具体的なセミリタイヤの生活の描き方や資産のつくり方については、
以下にも記載していますので、ぜひチェックしてみてください。
ぜひみなさんも、良い情報を参考にされて、
1度切りの人生、悔いのない最高の時間にしていきましょう。
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