本記事のもくじ
0. はじめに:投資で損だけはしたくない医師が知るべき損失の5つの『リアル』
「投資したいけど損するかもしれない…」
は、多くの人が投資をすることに二の足を踏んでしまうもっとも大きな理由でしょう。
また、特に失敗を避けたい医師・歯科医師の方にとってはかなり気になるものの一つだと思います。
本記事では、多くの人が毛嫌いする投資の損失について、ほとんどの人が知らない意外すぎる5つの真実についてお話します。
この真実をしっかり理解しておくことで、「投資の精神的ストレスが減る」「投資がつづけやすくなる」「投資のリターンが上がる」などの大きなメリットがあります。
ぜひ本記事をあなたの資産づくりの成功に役立ててみてくださいね。
1. 投資で損だけはしたくない医師が知るべき損失の5つの『リアル』
1-1. 損失は利益の”双子の兄弟”である
投資で損だけはしたくない医師が知るべき投資の損失のリアル1つ目は損失は利益の”双子の兄弟”です。
多くの人が、資産づくりでは「損をせずに利益を出そう」と考えています。
しかし、これはあまりに安易すぎる話です。
なぜなら利益と損失は基本的に双子のようなセットの存在で、光がなければ影がないのと同じ関係だからです。
具体的には、
- 損失を小さくしようとすれば、利益も小さくなりやすい
- 大きな利益を目指そうとすれば、損失も大きくなりやすい
という関係なのです。
この関係はほんの少し歪む場合もありますが、基本的には株や不動産ほかあらゆる投資商品にどんな手法で投資してもあてはまる『絶対普遍の法則』です。
そのため、あなたが高い利益を出したい場合には大きな損失を覚悟しなくてはいけませんし、絶対に大きな損失を出したくない場合には小さな利益で我慢することが必要なのです。
多くの投資家がついつい考えてしまう、損失を出さずに利益だけ増やそうなんてあまりに虫の良すぎる話なのです。
ちなみに、「この商品だけは特別にローリスクハイリターンで、損失は出ないのに利益は出る」という商品説明を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、実際の損益は投資しなくてはわからず、やってみた結果
- 実際はリターンが低かった
- 実際は損失リスクが高かった
のいずれかだと判明するケースが経験上99%ですので注意しましょう。
1-2. 損失は利益を出すための必要経費である
投資で損だけはしたくない医師が知るべき投資の損失のリアル2つ目は「損失は利益を出すための必要経費である」です。
これは、前項の”利益と損失は双子の兄弟”を理解すれば、自然と分かる内容ではあるものと思います。
もしあなたが投資で利益を出したければ、それに見合う損失を出すリスクをコンスタントに負う必要があるということです。
つまり、投資の一定の損失は『利益を得るための必要経費』なのです。
しかし、この理屈がなんとなく頭でわかっていても、実際の投資で正しくわきまえて行動することはきわめて難しいことです。
いくら損失が必要経費だとわかっていても、大きな損失が出る状況の中で正しい方法で投資を淡々とつづけられる人はほぼいません…
なぜなら、損失がつづく状況の中であなたの精神は理性ではなく、損失という痛みを避けたい本能に支配されてしまうからです。
これがとても知的水準の高い人であっても投資判断を間違えてしまう理由の根幹にあります。
そのため、簡単なことではありませんが、いつも自分の心が恐怖に囚われていないか落ち着いて判断する習慣が何よりも大切なのです。
1-3. 損失は投資の失敗ではない
投資で損だけはしたくない医師が知るべき投資の損失のリアル、3つ目は「損失は投資の失敗ではない」です。
世間の多くの人は『投資の損失=失敗』と考えていますが、これはまったく誤った考え方と言えます。
いったいなぜなのでしょうか?
ここまでの2つのリアルをしっかり噛み砕いている方にはもうおわかりかもしれません。
例えば、あなたがいくら正しい方法で投資をしていても、外部環境が起こす偶然の荒波を防ぐことなど到底できません。
- 投資している会社の決算発表
- 国や中央銀行の政策転換
- 景気・雇用・物価など経済の重要指標の発表
- 金融危機・通貨危機などの経済的有事の発生
- 戦争・紛争などの政治的有事の発生
- ・・・
これらは日夜マーケットで取引されている数多の金融商品に大きな影響を与えます。
もちろん、あなたの投資している株式の価格が一夜にして20%以上下がる、なんてことも当然にあるわけです。
そのため、投資の成功と失敗をただ利益と損失で判断しているのは、偶然の結果でしかないルーレットやバカラの結果に一喜一憂しているようなものなのです。
それでは、ほんとうの投資の失敗とは何でしょうか?
これは、利益や損失にかかわらず間違った投資行動を取ってしまうことそのものです。
具体的には…
- 自分の決めた投資のルールに反する行動をしてしまった
- 株式や不動産を評価するプロセスを踏まずに勢いで買ってしまった
- どんな事業をしているのか知らない会社の株を買ってしまった
などなどです。
上記のようなケースの場合には、仮にたくさんの利益が出たとしても自分の投資行動を猛省すべきです。
(これができる人はほとんど皆無に近いですが…)
なぜなら、そういう行動をしていると、投資の意思決定がいつもブレるようになり、いずれは大きな損失を招くものです。
あなたが投資の基準やルールを具体的に定めたら、方針を変える必要に迫られるまでは必ずそれにしたがいましょう。
投資の神様はつねに一貫性ある人を愛するものです。
1-4. 投資の損失があなたを殺すことはない
投資で損だけはしたくない医師が知るべき投資の損失のリアル、4つ目は「投資の損失があなたを殺すことはない」です。
これはぜひ、人生で失敗を味わった経験が少ないと自覚されている医師や歯科医師の方の場合は、ぜひ知っていただきたい内容です。
ごく稀に、不動産投資や事業投資の失敗による借金などで、心身の不調まできたしている医師の方をお見かけします。
一般的には気の毒に思いたいところですが…本来のところはまったく気にすることのない状況なのです。
なぜなら、投資の損失がいくらかさみ借金を抱えたところで、あなたが死ぬわけでもありませんし、肉体的に傷つくわけでもないからです。
端的に言うと、あなたが自分で勝手に投資の損失を気にして、勝手に傷ついているだけ(!)なのです。
特に、お金の失敗経験がまったくない医師の方だと、極端に投資の損失に過度に心が反応してしまうケースがありますので気をつけましょう。
私自身も資産防衛をする仕組み自体はしっかりと構築していますが、その裏側では予測不能の事態が起きて一文無しになっても何ともないなと諦観しています。
お金がなくなっても死ぬわけではありませんし、恥ずかしくもなんともないことだからです。
私たちはお金を持たずに生まれ、お金を持たずに死んでいくのですから、お金がなくなろうと借金を抱えようと本質的になんの問題もないのですね。
1-5. 資産の防衛は「上手に損をすること」である
投資で損だけはしたくない医師が知るべき投資の損失のリアル、5つ目は 資産の防衛は「上手に損をすること」である です。
多くの人は、資産防衛というと「とにかく損をしないこと」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、これまでお話してきた通り、投資の損失とは利益の双子の兄弟であり、儲けるための必要経費であります。
そのため、ただ損をしないようにするアプローチには意味がなく、上手に損をするという発想が大切です。
例えば、
- 株式投資で失敗しても、不動産投資はつづけられる範囲で損失リスクを取る
- ご自身の目標の海外移住に必要な金額を得られそうな案件にだけ投資をする(目標到達に影響しないものにリスクは取らない)
- ・・・
などです。
つまり、現実には不可能な”転ばない前提”で行動するのではなく、”上手に転ぶ”ということを考えるのです。
また、最後の事例のようにリスクを控えすぎることが投資を無意味、あるいは、危険にしてしまう場合があると理解しておきましょう。
ただし、経済的・精神的に再起不能になるレベルの損失はもちろん避けなくてはなりません。
こうなると、そもそもお金がなくて投資できなくなったり、投資を考えるのもイヤになったりと、どんなに正しい投資でもつづけられなくなる最悪の事態となってしまいます。
2. 損失の恐怖を乗り越えて投資で成功するために必要な3つのこと
それでは、投資の損失の本質がなんとなく理解いただけたところで、損失を恐れる私たちの本能を乗り越えて成功するための3つのアイデアについてお話したいと思います。
2-1. 確率のバランスがかたよっているものに投資する
損失の恐怖を乗り越えて投資で成功する秘訣の1つ目は「確率のバランスがかたよっているものに投資する」です。
多くの場合、投資の現実はざっくり言えば50:50(フィフティ・フィフティ)であることがほとんどです。
- あなたの買った株式は値上がりするかもしれないし、値下がりするかもしれない
- あなたの買ったオーストラリアドルは値上がりするかもしれないし、値下がりするかもしれない
このように利益と損失が出る可能性はおよそ等しく存在しているのです。
しかし、なかには稀にあからさまに確率がかたよっているように見えるものがあります。
- 売り主の相続の事情で土地と建物セットなのに土地値で売られている不動産
- 事業は粛々とキャッシュと利益を積み上げているにもかかわらずなぜか割安に放置されている上場会社株
こういった投資商品は当然確実ではないものの、投資としてかなり有利なところからスタートできるのは間違いありません。
極端に偏ったアノマリー(偏差)を見つけることができれば、成功率を高めることができるのです。
2-2. 人間的思考を捨てて確率的思考で投資する
損失の恐怖を乗り越えて投資で成功する秘訣の2つ目は「人間的思考を捨てて確率的思考で投資する」です。
自分は数学が得意だし、確率的に行動できる!
と自信のある医師の方も多いかもしれません。
しかし、実際にやってみると、これが難しく、いとも簡単に数学的判断や理性的判断を無視している自分に気がつくでしょう。
それくらい、”利益に対する欲望”と”損失に対する恐怖”は理性をかき消してしまうものなのです。
(例えば、あなたも昔に買った株式や保険が、いま考えるとなぜ買ったのか理由がよくわからないという経験もあることでしょう。)
そのため、カンタンで良いので投資日誌をつけるなどして、取引の度にその内容と理由などを記していくようにします。
こうすると、自分の思考や行動の驚くほどの不可解さに気が付き、少しずつ修正していくことも可能なのです。
2-3. 情報やシステムの歪みをフル活用して投資する
損失の恐怖を乗り越えて投資で成功する秘訣3つ目は「情報やシステムの歪みをフル活用して投資する」です。
お金や情報の流れが以前よりはとてもスムーズになった現代ですが、それでもすべてが最適化されることなどなく、様々な場所に『歪み』が生じます。
もしこの歪みをしっかり活用することができれば、確実ではないにせよ、かなり分の良い投資をすることができます。
例えば、日々の仕事で医療関係者しかほとんど知らない情報があると思います。
新しい薬の臨床効果や価格、医療機器の使い勝手・患者の反応にいたるまで、実際に触れている人にしかわからない情報ばかりです。
こういった情報は、製薬業界や医療機器業界を担当している証券アナリストでもよくわかっていないことが多いため、あなた独自の視点で誰も注目していない会社に投資することも可能でしょう。
また、そのほか日本の融資システムもとても歪んでいるものの一つです。
不動産投資の融資では、本人に返す義務を負わせる上に、購入する物件にかならず抵当権をつけます。
つまり、「土地と建物を借金のカタに取る」ということです。
こうすることで銀行はどう転んでも回収できない事態を避けるのです。
そう考えると、比較的幅広い人に大きめの金額を貸してもほぼリスクがないように思えます。
しかし、現実はそうではありません。
銀行が大きなお金を貸すのは、高年収のエリート会社員や儲かっている経営者、すでに資産を持つ富裕層が大半なのです。
なかでも、経営者以上にお金が借りやすいのではないか?と思えるのがお医者さんです。
このように、融資の仕組みは「お金を持っている人がもっとお金を増やせる」というかなり歪曲したものなのです。
そう考えると、医師の立場であればこの歪みをフル活用できるでしょう。
このように、情報やシステムが歪んでいるところでは、上手な投資がしやすいのですね。
3. まとめ:損失と上手につきあって着実な資産づくりを
- 損失は利益の”双子の兄弟”である
- 損失は利益を出すための必要経費である
- 損失は投資の失敗ではない
- 投資の損失があなたを殺すことはない
- 資産の防衛は「上手に損をすること」である
ここまで、投資の損失の5つのリアル、いかがだったでしょうか?
「上手に損する者が投資を制する」と言ってもよいほど、投資での損失の扱いは重要なものです。
あなたも多くの人が気にしている利益ばかりに目を向けるのではなく、損失のコントロールという観点をぜひ取り入れてみてくださいね。
投資では絶対に避けられない損失と上手くつきあって、ぜひ資産づくりの成功に着実に向かっていただければ幸いです。