2020/01/30 本文をリライトし、タグを追加しました
0. 本記事が対象とする方/本記事の目的
この記事は以下のような方を対象に、9割方の詐欺的な投資案件を避けることができる10のポイントをお伝えします。
・投資家として着実に自分の資産を増やしていきたい方
・現在、具体的な投資案件の紹介を受けていて、投資すべきか判断に迷っている方
・過去、詐欺的な投資案件で資産を減らした経験があり、二の轍を踏みたくない方
1.「詐欺的な」投資案件とは?
まず、詐欺的な投資案件の1つ目は当初から出資者のお金をだまし取るつもりで
設計・販売・運用がなされているものです。
当初からそもそも運用する気が無かったり、運用する気で合ったとしても
想定利回りが出せないことを商品設計者が事前に分かっている案件です。
次に、詐欺的な投資案件の2つ目は当初は出資者からお金をだまし取る目的では無かったが、
商品設計に無理があり、結果として出資者のお金を減らす結果になる案件です。
この記事では、これらの当初から詐欺目的であったもの、結果的に詐欺同様の結果となるものの2つを指して「詐欺的な投資案件」と呼ぶことにします。
2. 成功する投資家になるために詐欺的な投資案件を避けるべき理由
1点目は、当然ながら、詐欺的な投資案件によって、資産が目減りしてしまうことです。
2点目に忘れていけないのは、損失を投資で取り戻すのにとても時間がかかってしまうことです。
例えば、手持ちの資産を当初の50%まで減らしてしまった人がいたとします。
これを投資で取り戻そうとすると、減った後の50%を2倍(リターン200%)にしなければなりません。
通常の方が取りやすいリスクの投資案件(年利5%前後)では、ただ元に戻すだけで10年以上かかってしまいます。
投資の巨人ウォーレン・バフェット氏もこのような金言を残しています。
「投資ではこの2つのルールを忘れるな。
ルールその1 絶対に損をするな
ルールその2 絶対にルール1を忘れるな。」
そして、3点目は次の良い案件を検討して取り組むための貴重な時間や精神力が奪われてしまうことです。
仮に、案件の責任者と長期にわたる交渉や訴訟沙汰などになってしまうと、その間時間は拘束されますし、
良い案件だったとしても前向きに検討できる精神状態を保つのは難しいかもしれません。
3. 詐欺的な投資案件の見分け方
商品設計
1. 利回りの設計はどのようになっているか
紹介を受けた際の利回りが適切な水準にあるかを確認しましょう。
様々な商品で異なりますが、海外の積み立て型商品であれば年利6-10%前後、国内の不動産関連の商品であればどんなに高くても年利10%くらいでしょうか。
また、為替(fx)や先物を取引するファンドについても、世界トップクラスのプレイヤーで年利30-40%です。
しかも、上位は頻繁に入れ替わることがほとんどです。
世界中の優秀なファンドマネジャー/トレーダーが本気で取り組んでこのくらいの水準なので、
あなたが紹介された投資案件がこれを超える場合には、相当の理由が必要なのはお分かりいただけると思います。
適切な水準でないからといって、100%実現できないとは言い切れませんが、
その場合はなぜ適切な水準を超えられるのか、徹底的に確認すべきです。
そして、納得いかない点が少しでもあれば、あるいは、納得できたと思えた場合さえ、
撤退するようにしましょう。
2. 利回り保証/元本保証の設計はどのようになっているか
利回りや元本の保証がある場合には、適切なバランスになっているか確認しましょう。
通常、利回りが高く/保証が手厚いほど元本の保証はしづらくなり、利回りが低く/保証が薄いほど元本の保証がしやすくなります。
例えば、利回りが他の類似商品よりかなり高いにもかかわらず、元本保証が手厚い場合商品は、投資後の運用に失敗すると、利回りか元本保証、または、その両方が約束通りに提供できなくなってしまいます。
すべての面で優れた投資商品を作ることは難しく、必ずある程度優劣がバランスするものと覚えておきましょう。
3. 運用会社/投資先破綻時の取り扱い
もし出資している間に、運用をしている会社や実際に出資した先の会社などが破綻してしまったら、
どのような取扱いになるか確認しましょう。
理想的には、運用会社と実際に資産を保有している金融機関が分かれているものが安全です。
そして、政府や業界団体、再保険など、第三者の保証があるか確認しておきましょう。
例えば、保険商品であれば、日本や台湾のように、一定の割合を第三者が保証してくれる制度が
ある国もあれば、そうでない国もあります。
もし、何の保証のない場合には、運用会社の破綻時には元本がゼロになってしまうと考えるべきです。
そのような可能性とリターンが見合いそうか、慎重に考えなくてはなりません。
4. 経済的な原則にあった設計になっているか
「経済的な原則」と書くと、小難しく聞こえますが、要は、通常の取引として考えると、あまりに出来すぎており、疑問に感じる点が無いかということです。
例えば、以下のような疑問を持つことが大切です。
・「株価の変動リスクは、普通は購入した出資者が負うものだ。
が、今回は販売者が一定の価格を保証すると言っているのは何故だろうか?」
・「投資後の収益用不動産のキャッシュフローを売り手から保証されると言われている。
もし売り手が想定している稼働率を出せない場合は保証を続けられるのだろうか?」
(ex.先日のスマートハウスのシェアハウス案件)
・「年利100%予定の仮想通貨トレーディング案件の紹介を受けた。
本当に年利100%もリターンが出るならば、わざわざ個人の私から出資を募る必要はないのではないか?」
etc.
こういった疑問を持つと、そもそも商品設計が成立していない案件を避けることができます。
契約書
5. そもそも違法な取引になっていないか
ねずみ講(無限連鎖講)や出資法違反の取引など、契約の内容がそもそも法律に反していないか確認しましょう。
仮に法律に違反した取引の場合、投資案件の責任者と契約書を結んでいても、
すべて無効とされてしまう可能性があります。
見慣れない、あるいは、特殊な取引で不安を感じる場合は、素人が判断するのではなく、
多少時間や費用がかかっても必ず弁護士さんに事前確認してもらいましょう。
(法的な問題が分かった後で弁護士さんに相談するより、圧倒的に安く済むことは保証します!)
なお、ある程度資産規模が大きい方ほど、こういったところを丁寧にやっています。
6. 解約要件
投資期間の途中で解約したくなった場合、そもそも解約が可能か、可能な場合は据置期間、
違約金または手数料などの解約するための要件を確認しておきましょう。
販売者
7. 販売者は実在する法人/個人か
そもそも販売する会社や個人が事前に把握した情報通り、実在しているかを確認しましょう。
法人の場合、会社名や所在地を基に登記情報をWebサイトで簡単に確認することができます。
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
法人名、所在地、所在地の異動履歴など事前に確認しておきましょう。
登記されていれば必ず安心ということではありませんが、架空の法人と取引せずに済みます。
また、個人と初めて取引する場合にはパスポートの写しを事前にもらいましょう。
何かと理由をつけて渋られるようでしたら、投資は控えた方が良いですし、
最初から詐欺を目論んでいる相手であれば、少なくとも慎重なあなたはターゲットにならずに済む確率が高まります。
8. 金融商品販売/資金集めの許認可があるか
株式や債券などの金融商品を勧誘/販売する場合、あるいは、ファンドとして出資者を募る場合など、
金融商品を取り扱う業者には金融庁の認可が必要になります。
そのため、適切に許認可を受けている会社かどうか、事前に金融庁のサイトで確認しておきましょう。
2018年11月末時点の業者の一覧は下記です。
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kinyushohin.pdf
少し専門的に見えますが、金融商品の勧誘/販売は「第一種」、ファンドとして出資金を集める場合は「第二種」に該当します。
9. 販売会社/担当者の対応/態度はどうか
私の経験則で、客観的に理由を説明しづらいですが、おかしな投資案件を紹介してくる
会社や担当者は対応や態度がなっていない確率がとても高いです。
(何事も一事が万事ということでしょうか。。)
ビジネスマンや人として当たり前の事なのですが、「よく嘘をつく」「発言や主張が二転三転する」
「時間を守らない」「商品説明や契約の手続きの進め方があからさまに雑」など、おかしな対応があれば、
どんなに案件が良さそうに見えても基本的に付き合いを避けるようにしましょう。
販売方法
10. 販売方法がマルチ商法・MLMになっていないか
同じ投資案件を、他人に紹介することで、自分に商品の利回りや紹介料などが入ってくる仕組みになっていないか確認しましょう。
すべての案件が良くないとは言いきれませんが、基本的にはこのような販売方法の商品を避けるべきです。
それは、紹介料や紹介特典などの名目で投資の原資が目減りしてしまい、
紹介料の設定が高いほど運用が成立しない可能性が高くなってしまうからです。
4. まとめ
あらためて、「詐欺的な投資案件」を避けるための10のポイントを挙げておきます。
1. 利回りの設計はどのようになっているか
2. 利回り保証/元本保証の設計はどのようになっているか
3. 運用会社/投資先破綻時の取り扱いはどうなっているか
4. 経済的な原則にあった設計になっているか
5. そもそも違法な取引になっていないか
6. 解約要件はどのようになっているか
7. 販売者は実在する法人/個人か
8. 金融商品販売/資金集めの許認可があるか
9. 販売会社/担当者の対応/態度はどうか
10. 販売方法がマルチ商法・MLMになっていないか
以上です。
いかがだったでしょうか?
投資前にこの10のポイントを丁寧に確認してもらえれば、詐欺的な投資案件にかかわってしまう可能性を格段に下げることができると思います。
そして、詐欺的な投資案件ほど、一見すると利回りが高いなど魅力的に見えるものが多いということも最後にお伝えしておきたいと思います。
また、より深く投資について学びたいという方には、無料の動画とPDFを記事下段に用意しています。
ぜひお役に立てていただけたら嬉しく思います。
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