本記事のもくじ
2020/06/03 目次を変更し、関連記事を追加しました
0. マイホーム・持ち家の購入は、不動産への『投資』なのか? ~冷静に考えたい自宅の保有について~
「家賃を払うのがもったいないから、マイホ-ムを買おう」
「持ち家はいつか資産になるから、持っておこう」
「自宅を買うことも立派な投資だ!」
そんな考えで、マイホーム・持ち家を持とうとする方を多く見かけます。
しかし、そのような発想は正しいのでしょうか?
経済的利益が欲しい気持ち、所有欲を満たしたい気持ち、自分と家族を幸せにしたい気持ち、、、そんないろいろな感情と議論が錯綜する、
このテーマですが、今回はそんなテーマに悩まされているあなたの頭の中をスッキリさせたいと思います。
1. マイホーム・持ち家の本来の『リターン』とは?
では最初に、マイホーム・持ち家を持つことの最大の『リターン』とは何かを考えてみましょう。
金融機関からわざわざお金を借り、自分に合う物件を探す手間をかけてまで、マイホーム・持ち家を保有するのですから、
当然あなたは、何らかの「リターン」があるから行動しているはずです。
あなたの頭に浮かぶことは、、、
・持ち家という資産を持てる?
・家賃が節約(?)できる?
・持ち家をいつか売却して儲けられる?
・・・
さまざまなことが浮かぶ中で、あなたが最も大切にすべきことは何でしょうか?
それは、間違いなく
『自分と家族の時間の質をどれだけ高く保てるか?』
です。
え、何で経費の節約や売却益などの「経済的利益」じゃないの?と思った方もいるかも知れません。
自宅の購入において、経済的利益は、あくまで『おまけ』です。
あなたが、マイホーム・持ち家を持つことで、周囲の環境やその不動産の状況に、『時間の質』を左右されます。
この時間の質とは、一体何か?
ーそれは、あなたと家族の『人生そのもの』です。
この「時間の質」を上げることが、マイホーム・持ち家をわざわざ持つ最大の理由です。
これ以外はほぼどうでも良いことです。
そのため、マイホーム・持ち家の最大のリターンは、『あなたと家族の時間の質』なのです。
上記の議論について、まだピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。
(参考記事)
【2つの質問に答えるだけ!】持ち家か賃貸か?という愚問に終止符打ちます
2. マイホーム・持ち家で無理やり経済的利益を得るならば…
それでも、せっかく買うならば、マイホーム・持ち家でどうしても経済的利益が欲しい、と思う方がいるかも知れません。
この「経済的利益」については、どう考えたら良いのでしょうか?
投資の金銭的リターンである「インカム・ゲイン(収入)」「キャピタル・ゲイン(売却益)」、そして、「その他」の3つの観点で評価してみたいと思います。
【インカム・ゲイン】経費がかかるものはすべて「負債」
ます1つ目は、「インカム・ゲイン」、投資の収入から経費を差し引いた利益のことです。
マイホーム・持ち家は、インカム・ゲインの得られる投資でしょうか?
これは、明らかに『No』です。
マイホ-ム・持ち家は、収入がない一方で、メンテナンスのコスト・税金・保険料などのいろいろな経費がかかってきます。
どんなに有利な条件で購入しようとも、「マイホ-ム・持ち家は負債」なのです。
なお、通常のマイホームには該当しませんが、セカンドハウスや別荘などで他人に貸せる場合は、利益が出て「資産」になることもあります。
【キャピタル・ゲイン】目的を複雑化すると意思決定できなくなる
あなたの買う不動産の価格や立地、その他の内容はさまざまです。
そのため、あなたが買うマイホーム・持ち家の値上がりの可能性については、ここで議論しません。
キャピタル・ゲインが得られるか否かは、ケースバイケースでしょう。
ただし、間違いなく言えることがあります。
売却にせよ、継続保有にせよ、どんな選択肢を取ろうとも、目的が複雑化するので、意思決定できずに身動きが取りづらくなります。
例えば、あなたと家族がとっても気に入っているマイホーム。
周辺の開発計画で、値段が2倍になりました。
さて、あなたは大好きなマイホームを売って、買った価格に相当する利益を手にするでしょうか。
あなたと家族の住む幸せと、キャピタル・ゲインをどうやって比較するでしょうか?
これは、幸福感と経済的利益の比較になってしまうので、誰にとってもかなり決めづらいものになってしまいます。
こうなると、どちらにも舵が切りづらく、結局決断できずにフリーズしてしまいます。
やはりこれは、マイホーム・持ち家の本来のリターンを重視せず、「おまけの経済的リターン」に注目してしまっているからです。
私自身もそうしていますが、投資なら投資で、純粋に経済的利益のためだけに実行する方がわかりやすいでしょう。
【その他】収益不動産購入への影響
マイホーム・持ち家を買う時に、どんなものを買おうとほぼ100%変わること、それは、あなたのローン残高が増えることです。
現金で買える、あるいは、現金だけで買う必要があることは、ほとんど無いからです。
ローン残高が増えること自体は、別に良くも悪くもありませんが、もっとも影響が出ることがあります。
―それは、自分が住まない収益不動産を買う際の足かせになる可能性があること、です。
自分が誰かに貸して収益を出すための不動産を購入しようとする場合、個人でのマイホームローンは、金融機関からネガティブに見られがちです。
この事によって、キャッシュフローを生む本当の資産である収益不動産を手に入れる可能性を狭めることがあるのです。
投資で成功したい!と思う方は、このことを買う前に重く考えておいた方が良いでしょう。
(参考記事)
【投資の元手がない?!】借金という最高の資産拡大マシーンを活用しよう(概要動画付き)
3. まとめ
・マイホーム・持ち家の本当の「リターン」とは、『あなたと家族の時間の質』である。値上がりなどの経済的利益は、ごく小さなおまけにすぎない
・仮にマイホーム・持ち家でどうしても経済的利益を目指す場合、注意すべき点は以下の通り
ーインカム・ゲインの観点では、収入がなく経費だけがかかるため、マイホーム・持ち家は「負債」である
ーキャピタル・ゲインの観点では、個別の物件によって状況は異なる。ただし、目的が複数になることで、意思決定ができずに後で困る可能性が高まる
ーその他の観点では、今後、収益不動産を買うための足かせになる可能性に注意すべき。借り入れの際に、金融機関からマイナスに見られる可能性がある
いかがでしょうか?
正しくない知識・判断をよく目にする、マイホーム・持ち家議論ですが、
世間がどう言っているかに関係なく、ぜひ自分の「本当のニーズ」に合わせて正しく判断していきましょう。
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