1. はじめに
投資でもビジネスでも、「資金(元手)さえあれば…」と思った経験がみなさん一度はあるのではないでしょうか?
下記の記事でお話している通り、特に投資では「借金」を上手く使えば最高の「資産拡大マシーン」を手にすることができます。
お金の流れを生み出す良い借金をし続けることで、自己資金だけの世界では絶対に実現できない劇的な資産拡大ができるのです。
【投資の元手がない?!】借金という最高の資産拡大マシーンを活用しよう(概要動画付き)
また、ビジネスでも金利を超える利益を上げる事業を拡大、あるいは、新たに発掘し続ける限り、無限に借り続けて資金を投じることで利益をどこまでも伸ばしていくことが出来ます。
とはいえ、投資にせよビジネスにせよ、当然ながら実際に銀行などの金融機関から調達できなくてはいけません。
本記事では、借金をフル活用するための、融資についての銀行の考え方と付き合い方の基本について、お話したいと思います。
2. 大前提:銀行は貸したくてたまらない
まず、大切な前提についてお話したいと思います。
それは、銀行は基本的に「貸したくて貸したくてたまらない」ということです。
ご存知の方も多いかと思いますが、日本の中央銀行の金利は現在マイナスになっています。
つまり、都市銀行や地方銀行など一般の銀行は、あなたや私の預金を受け入れれば受け入れるほど、マイナス金利によって収益を圧迫することになります。
そのため、基本的に低金利であっても貸せる先があれば、いくらでも貸したいのが本音なのです。
たまに、借金をしていることについて、銀行などに負い目を感じてしまうような人がいるようです。
しかし、実際は真逆で、融資審査を通過し、正しく資金を活用するあなたは、銀行や社会に貢献している感謝されるべき存在だと認識しておきましょう。
(特に、銀行に対しては、困っているところに優良な貸出先を提供してあげたと言えますね。)
3. 銀行が貸してくれる3つの基本条件
原則的には貸したいと思っている銀行ですが、当然ながら各行の審査のプロセスを通過していかなくては貸付を受けることが出来ません。
そのプロセスを通過するための基本的な3つの条件について、重要度が高い順にご紹介したいと思います。
これらは、投資やビジネスなど融資の種類にかかわらず、一般的に評価されるポイントを挙げたものです。
現預金やその他の資産がある
第1の条件は、「現預金やその他の資産がある」ということです。
例えば、1億円の預金がある人が、1億円の融資の審査を受けているとしましょう。
銀行からすると、それだけの資産があるならば、貸し倒れる可能性はとても低いと考えることができるため、とても貸しやすいのです。
「資産がたくさんあれば、別に借りようと思わないよ…」
と絶望する人がいそうですが、まさに実態はそうなっています。
現預金を筆頭に、換金性が高く(現預金はすでに「換金済み」)、評価しやすいものであればあるほど、審査上はプラスになります。
そのため、審査では自分の資産状況が分かる資料を可能な限り提出していくことになります。
収入源が今現在ある
第2の条件は、「収入源が今現在ある」ということです。
先程の資産のようなストックは少ない場合でも、フローとしての収入があれば、それを返済の原資に充てられると考えるわけです。
具体的には、サラリーマンであれば給与や賞与を示す明細や源泉徴収票、ビジネスをしている人であれば決算書などの資料に該当します。
単に実績としての実額を見せるだけでなく、昇給その他で収入が伸びている場合にはそれについてもアピールできるとプラスになります。
収入源が将来できる
第3の条件は、「収入源が将来できる」ということです。
収入源がいまは無い(少ない)が、新たな収入源が将来持てることを示していきます。
当然ながら、前の2つの条件と違い、確定していない将来についての想定なので、銀行もシビアに評価することになります。
そのため、特に新規事業などで融資を受ける場合には、事業計画とその実現性について、あの手この手で具体的な説得力ある説明ができるよう準備する必要があります。
4. 銀行との付き合い方の基本
お世話になる順番
金融機関には、付き合ったほうがよい順番が存在します。
ざっくりですが、おおよそ下記のような順番になります。
都市銀行→地方銀行・信用金庫・信用組合→ノンバンク
これは、金利がおおよそ低い順番であるという理由もありますが、逆の順序では付き合える金融機関が減ってしまうということが最も大きな理由です。
なぜなら、ノンバンクから借りていると、通常の銀行からはその取引履歴自体でネガティブに評価されてしまうからです。
こうなると、将来的に借りられる金融機関が極端に減ってしまいます。
また、逆に良い銀行から借りていると、他の銀行から良い評価を受けやすくなっていきます。
例えば、審査の厳しい都市銀行に既に評価されているなら、新規取引の地方銀行も安心と思うわけです。
個人的には、あまり合理的な話ではないと思うのですが、実態はそのようになっていますので、彼らのルールに合わせましょう。
誰が借りるか?誰を審査するか?
まず、借りる際の大前提として、誰が借りる形にするのが、審査上(そして、借りた後も)良いか考える必要があります。
自分以外に誰がいるのかと思った方もいるかも知れませんが、個人以外に、ビジネスをしている方であれば既存の法人、また、ビジネスをしているかにかかわらず、新たにつくった法人で融資を受けるという方法もあります。
これは審査の都合に加え、税金やその後の追加の借り入れなどの観点でも考えたほうが良いので、専門家に事前に相談しましょう。
そして、借り入れる主体だけでなく「誰を審査するか」という視点もあります。
仮にあなたがつくる新たな法人で借りる場合には、あなた個人や既存の法人の情報を元に審査することになります。
加えて、家計が同じ人に収入や資産が多い人がいれば、自分と一体として審査にプラスにできる可能性もあります。
余計な情報を出さない
先程の3つの条件に照らして、プラスになると確信できる情報以外は、訊かれない限り出さないようにしましょう。
それは、審査プロセスの中身は基本的にブラックボックスだからです。
何がマイナスになるかはあなたには判断できませんので、余計な情報は出すメリットが何も無いのです。
実際に、融資を使って不動産を買いたくてたまらなかったAさんが審査完了直前に落選してしまったことがあります。
―それは、訊かれてもいないのに「奥さんの出産予定」を話してしまったからです。
共働きのAさんは、奥さんの収入も併せて融資の土台に載っていた(と思われる)のですが、出産によって奥さんの収入という前提が急になくなってしまったのです。
融資担当者は、奥さんの収入があるから審査が順調に進んでいますなどとは事前に教えてくれませんので、やはり余計なことは言えないものなのです。
銀行さんの前でおしゃべりになるのは基本的にやめましょう。
合理的とは思えない審査プロセス
個人的にはとても気持ちが悪いのですが、日本の金融機関の審査プロセスは、まったく合理的とは言えないと感じています。
本来は、まったく同じ条件の人が、同じ内容で融資審査を依頼すれば、少なくとも同じ金融機関であれば、同じ結果が出るはずです。
ところが、相談する時期や相談先の支店、あるいは、付いた担当者次第で、まったく結果が違ってしまうことは普通です。
また、支店長などと仲が良いと簡単に借りれてしまうようなことすらあります(!)。
日本らしいといえば日本らしいのですが、いろんな銀行や支店を回るための借りる側の労力は本当にムダで非効率と感じるところです。
5. まとめ
・銀行が融資審査をする場合の基本的なポイントを重要な順に挙げると以下の3つ。
①現預金やその他の資産がある
②収入源が今現在ある
③収入源が将来できる
・金融機関にお世話になるべき基本的な順序は以下の通り。逆の順序になると、付き合える金融機関が減ってしまう可能性があるので注意。
都市銀行→地方銀行・信用金庫・信用組合→ノンバンク
・融資の審査プロセスでは、3つの観点でプラスになると確信できるもの以外、原則情報を出さないことが鉄則。
いかがだったでしょうか?
基本的な仕組みを理解いただいた上で、お金を最高に活かす素晴らしい借り手になっていただけたらと思います。
今後、より詳しい付き合い方についてもお話したいと思いますので、お楽しみに!
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