1. 預金残高より「信頼残高」の方が大切な本当の理由とは?
いつも、お金や資産の増やし方・守り方をみなさんにお伝えしている私です。
が、本当は預金残高より「信頼残高」を大事にしています!とお伝えしたら、驚く方も多いかもしれません。
「信頼残高」とは、如何に周囲の人や社会から、信頼して取引できる人と思われているか?ということです。
これは、お金よりも人間関係の方が価値がある、といった私の個人的な判断が理由ではなく、そもそものお金の役割に関わる理由があります。
2. お金の本当の役割は「信頼のおつり」
お金の役割は一体何でしょうか?と質問されたら、みなさんは何と答えるでしょうか。
・・・
いろいろな見方がありますが、普通の経済学の本では以下の2つ教えています。
①物々交換よりラクに価値の交換をするため
②経済的価値を保存するため
今回は、2つの中でも①を取り上げたいと思います。
あなたが、家畜の豚を米と交換したいとき、米農家の友達のところまでわざわざ持っていくのは大変でしょう。
そして、米農家の友達が、豚肉を必要としていなかったら…そもそも交換できなくなってしまいます。
そんな時、何にでも交換出来て、誰もが価値を認めるお金があれば、、、万事解決しそうです。
こう考えると、①は一見、正しそうに思えます。
が、実は物々交換で成立している社会は歴史上一度もなかったといわれています。
まだお金が存在しなかった時代も含めて一度もです。
それでは、どうやって人々はモノの取引をしていたのでしょうか?
実は、分かりやすく言うと「ツケ」で取引していました。
あなたが家畜の豚を友達にあげれば、友達は豚一匹分をツケ(「債務」)で手に入れ、あなたは豚一匹分の価値を友達からもらう権利(「債権」)を手に入れていたのです。
もし、友達が豚一匹分の価値がある米をあなたに渡せば、ツケはなくなり、友達が負う「債務」とあなたが持つ「債権」は消える(相殺される)のです。
では、お金は何の目的で生まれたのでしょうか?
それは、他人との貸し借り(債権と債務)が相殺できなかった時のただの「おつり」として生まれたのです。
つまり、友達が豚一匹分の価値に足りる米をあなたに渡せなければ、足りなかった分を石や貝や金属のお金で精算していただけなのです。
というわけで、そもそもお金は取引する人同士の信頼(あるいは、信用)を精算するだけの存在だったのです。
3. 日本円が取引停止になっても生き残れる人とは?
2でお話ししたように、お金はそもそもただの「信頼のおつり」なので、自分の信頼や信用そのものが本当は一番大切だとわかります。
例えば、もし日本円(やあらゆる通貨)が日本で使えなくなったら、あなたは生活できるでしょうか?
いつも通りの普通の生活ができるかどうかは、あなたの信頼や信用にすべてかかっています。
日常生活の飲食店やスーパーの支払いをツケにしても安心な人だと思われるか、ビジネスでの経費支払いをツケにしても安心な人だと思われるかが大切なのです。
ちなみに、日本でも日本円の預金封鎖は戦後直後に起きています。
実際に、イングランドでは、銀行業務がすべて停止して、お金の移動ができなくなった際にも、お互いの信用だけでいつもの経済活動が続いたと言われています。
しかも、お金が流通していた時より、むしろ経済は成長したようです。
(これは、大昔の話ではなく、1970年代の話です!)
4. まとめ
というわけで、お金のような信頼の「おつり」だけを大切にするより何より、自分の信頼を大切にした方が良い理由が分かってもらえたと思います。
もちろん、お金を増やし、守ること自体はとても大切ですが、お金がなくなったり、機能しなくなったりしても生活できるように「信頼残高」を増やしておくのが一番の防衛策ですね。
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